北原槙(FC東京)の思う「10番の仕事」。ハイレベルな2得点などで「自分の価値を証明する」
[5.5 U17アジア杯GL第1節 日本 3-1 カタール ジェッダ]
「日本代表の10番」を渡された選手の反応は様々だ。
ある選手は無邪気に指名を受けたことを喜び、ある選手はその番号の持つ重みについて語り、またある選手は「ただの数字だ」と強がったりもする。
AFC U17アジア杯サウジアラビア2026に臨むU-17日本代表の「10番」に指名されたMF北原槙(FC東京)の反応は、また少し違うものだった。
小野信義監督から10番を託されたことについては「うれしい」と素直に語りつつ、同時に「10番としての役目を果たさないといけない」という責任についても語ってきた。大会を前に「数字にこだわりたい」と強調していたのも、「10番の仕事」を意識してからこそだった。
迎えたU-17カタール代表との初戦。「前半は正直自分も硬かった」と振り返ったように、チームとしても、そして北原自身も足が重く、いつもの軽快なプレーはなかなか観られなかった。そして試合展開も1点を先行される重苦しいものとなっていた。
ただ、北原は「0-1になった中で、『ここで自分が何をできるかで自分の価値を証明する』と、正直思っていた」と振り返る。
後半開始早々に得たFKのチャンスでは、「アントニーなら勝てると思ったし、良い風の使い方ができた」と振り返る精密なキックをDF元砂晏翔仁ウデンバ(鹿島)の頭へと合わせる。向かい風も頭に入れた上で放ったプレースキックが、FW齋藤翔(横浜FCユース)の同点ゴールへ繋がった。
さらに後半25分には、「余り頭で決めたことがなかったので、めちゃくちゃうれしかった」というヘディングでのゴールを決めてみせる。ゴール前で相手も絡んでの浮き球に対し、単に頭に当てるだけでなく、「キーパーも見えてたし、ゴールカバー(のDF)がいるのも見えてた中で、ふんわりとした詭道を意識した」という技ありのヘディングループシュートで、逆転ゴールを奪い取った。
さらに後半31分にも、今度は得意のドリブルで敵陣を切り裂き、最後は角度のなくなった状況をものともしない強烈なシュートを突き刺してみせた。小野監督も「日本人であそこを決められる選手はなかなかいない」と舌を巻いた“ゴラッソ”だった。
「『いけるな』っていう感覚が自分の中にあったし、すごく気持ち良かった」
そう笑って振り返った北原は、「10番の仕事っていう、その言葉の通りのものを出せたと思いますし、“北原槙”っていう自分の価値を高めることができたと思う」と胸を張った。小野監督から厳しく指摘されたこともある守備面でも、その指揮官から献身性を称賛されるプレーを見せ、得点だけではないトータルパフォーマンスで“日本の10番”らしい内容となった。
もっとも、まだ1試合が終わっただけの話であり、北原も浮かれてばかりいるつもりは毛頭ない。
「今日みんなにすごく褒めてもらって、頭叩かれて祝福されたのも嬉しかったんですけど、もう今日でこれ(喜び)は終わり。すぐに次の試合が来るんで、次に向かう準備をして、チーム全員で必ず2試合目も勝って、まずはグループ突破を決めたいなと思います」
次もまた「10番の仕事」をやり切り、チームを勝利に導くのみ。北原は今大会であらためて「自分の価値を証明する」ことを固く誓っている。
(取材・文 川端暁彦)
「日本代表の10番」を渡された選手の反応は様々だ。
ある選手は無邪気に指名を受けたことを喜び、ある選手はその番号の持つ重みについて語り、またある選手は「ただの数字だ」と強がったりもする。
AFC U17アジア杯サウジアラビア2026に臨むU-17日本代表の「10番」に指名されたMF北原槙(FC東京)の反応は、また少し違うものだった。
迎えたU-17カタール代表との初戦。「前半は正直自分も硬かった」と振り返ったように、チームとしても、そして北原自身も足が重く、いつもの軽快なプレーはなかなか観られなかった。そして試合展開も1点を先行される重苦しいものとなっていた。
ただ、北原は「0-1になった中で、『ここで自分が何をできるかで自分の価値を証明する』と、正直思っていた」と振り返る。
後半開始早々に得たFKのチャンスでは、「アントニーなら勝てると思ったし、良い風の使い方ができた」と振り返る精密なキックをDF元砂晏翔仁ウデンバ(鹿島)の頭へと合わせる。向かい風も頭に入れた上で放ったプレースキックが、FW齋藤翔(横浜FCユース)の同点ゴールへ繋がった。
さらに後半25分には、「余り頭で決めたことがなかったので、めちゃくちゃうれしかった」というヘディングでのゴールを決めてみせる。ゴール前で相手も絡んでの浮き球に対し、単に頭に当てるだけでなく、「キーパーも見えてたし、ゴールカバー(のDF)がいるのも見えてた中で、ふんわりとした詭道を意識した」という技ありのヘディングループシュートで、逆転ゴールを奪い取った。
さらに後半31分にも、今度は得意のドリブルで敵陣を切り裂き、最後は角度のなくなった状況をものともしない強烈なシュートを突き刺してみせた。小野監督も「日本人であそこを決められる選手はなかなかいない」と舌を巻いた“ゴラッソ”だった。
「『いけるな』っていう感覚が自分の中にあったし、すごく気持ち良かった」
そう笑って振り返った北原は、「10番の仕事っていう、その言葉の通りのものを出せたと思いますし、“北原槙”っていう自分の価値を高めることができたと思う」と胸を張った。小野監督から厳しく指摘されたこともある守備面でも、その指揮官から献身性を称賛されるプレーを見せ、得点だけではないトータルパフォーマンスで“日本の10番”らしい内容となった。
もっとも、まだ1試合が終わっただけの話であり、北原も浮かれてばかりいるつもりは毛頭ない。
「今日みんなにすごく褒めてもらって、頭叩かれて祝福されたのも嬉しかったんですけど、もう今日でこれ(喜び)は終わり。すぐに次の試合が来るんで、次に向かう準備をして、チーム全員で必ず2試合目も勝って、まずはグループ突破を決めたいなと思います」
次もまた「10番の仕事」をやり切り、チームを勝利に導くのみ。北原は今大会であらためて「自分の価値を証明する」ことを固く誓っている。
(取材・文 川端暁彦)
