レントゲン撮影を口実に…女子高生に服を脱がせてわいせつ行為 放射線技師の“卑劣すぎる”犯行
服を脱がせて胸を露出させた
「診察に必要なレントゲン撮影をするので、上の服を脱いでください」
入院していた女子高生Aさん(当時18歳)の病室を訪れた放射線技師は、移動型のレントゲン装置を操作しながらそう言ったという。言われるがままに応じたAさん。しかし後日、Aさんが主治医にレントゲン撮影の結果をたずねると、「レントゲン撮影を指示したことはない」と言われたのだ。いったい何が起きたのだろうか──。
「’26年1月28日、千葉県警市川署は不同意わいせつの疑いで東京歯科大学市川総合病院(現・国際医療福祉大学市川総合病院)の診療放射線技師・小沢拓海被告(29)を逮捕。小沢被告は入院中のAさんの病室で正規の検査だとうそを言い、2回にわたり服を脱がせて胸を露出させた疑いがもたれています。小沢被告は『将来への不安やストレスからやった』と供述していました。
小沢被告の逮捕を受け、同病院は『患者様にご不安や精神的な苦痛を与えたことを極めて重く受け止めている。当該職員については、厳正かつ適切に判断し対応する』とのコメントをホームページに掲載しました。その後、小沢被告は懲戒解雇になっています」(全国紙社会部記者)
4月22日、千葉地裁で、不同意わいせつの罪に問われている小沢被告の初公判が開かれ、即日結審した。
検察官が読み上げた起訴状や冒頭陳述などから明らかになったのは、「診察に必要」と称してAさんの服を脱がせるという、小沢被告の卑劣な犯行だった。
小沢被告が入院していたAさんの病室を訪れたのは昨年の12月初旬の午後だった。小沢被告は電子カルテを閲覧してあらかじめAさんに目をつけ、部屋番号などを把握していたという。
移動型のレントゲン装置を操作しながら「診察に必要だから上の服を脱いでください」と言い、Aさんの上半身を裸にした。Aさんが服を脱ぐのに手間取っていると、小沢被告が手を貸したそうだ。1時間後にも同じようにAさんの病室を訪れて再び上半身を裸にし、さらに彼女のズボンや下着をずり下げて下腹部を露出させたのだという。
その後、Aさんと母親が主治医にレントゲン撮影の結果をたずねると、主治医はレントゲン撮影を指示したことがなかったため不審に思い、院内調査が行われた。そしてAさんの電子カルテの閲覧履歴や防犯カメラの映像などから、小沢被告による犯行が発覚したのだ。レントゲン装置を調べたところ、実際には、撮影は行われていなかったことがわかっている。
小沢被告は「間違いありません」と起訴事実を認めた。
他の女性への犯行は「黙秘します」
公判では小沢被告の上司にあたる技師長の供述調書が読み上げられた。本来、「胸部のレントゲン撮影の場合、女性にはあらかじめバスタオルを渡して上半身を隠してもらう」「女性が服を脱ぐことが困難であれば、女性の看護師を呼んで手伝ってもらう」という。
当然、小沢被告も知っていたはずだが、まだ10代のAさんなら、だますことができると考えたのだろうか。実際、レントゲン撮影を装ってわいせつな行為をすることを思いついてから電子カルテを漁り、「年齢とか性別とかを確認して、犯行に及ぶ相手を探した」と認めている。
小沢被告は、なぜこのような犯行に及んだのだろうか。動機についてはこのように述べていた。
「(病院の)合併に伴う労働条件の変更だったり、その頃付き合っていた彼女にふられてしまったことが原因なのかなと思っております。ただ、なぜ性犯罪を起こしてしまったかについては、いま考えてもなぜそのようなことをしてしまったのか、わかっていないところです」
そして保釈後、メンタルクリニックに通い始めたとして、理由をこう説明した。
「このような行為をしてしまう自分はやはり人間としてちょっとおかしいのではないかという思いがあり、メンタルクリニックに通うことにしました」
逮捕時からAさんへの犯行を認めていた小沢被告だが、捜査段階では「Aさん以外の女性に、レントゲン撮影と称して女性の裸を見たかどうか」については黙秘している。この点について検察官が「Aさん以外に、誰かの服を脱がせたことはありますか」と改めて質問すると、「黙秘します」と再び答えていた。
「男性不信になりました」
この日行われた論告弁論で検察官は、「診療放射線技師という立場を悪用して行われた、卑劣で悪質な犯行」「犯行動機について一部あいまいな供述をしていることから再犯の可能性も残る」などとして「拘禁刑1年6ヵ月」を求刑。
一方、弁護人は「真摯に反省して謝罪の言葉を述べている」と述べ、「自己の性的依存傾向を深く自覚して、メンタルクリニックに通っている」「今後、家族の監督が期待できる」などとして、「執行猶予付きの処分を希望します」と述べた。
公判では、検察官がAさんの供述調書を読み上げたが、そこには小沢被告に対する強い怒りがつづられていた。
「今回、犯人にだまされて脱がされ、裸を見られたり触られたりしたことで不眠になり、人混みのある場所にも行けなくなって男性不信になりました。犯人については厳しく処罰してほしいです。今後、医療にも携わってほしくありません」
レントゲン技師に「診察に必要」と言われれば、そのまま信じてしまうだろう。そのたびに「わいせつ目的ではないか」と疑ってかかる人がどれくらいいるだろうか。
「医療従事者は治療に必要なことをするはず」という当たり前のことが信じられなくなったAさんは、今後、何かにつけて疑心暗鬼に駆られるかもしれない。現在のところ小沢被告とAさんとの間に示談は成立していないという。
判決は5月12日に言い渡される予定だ。
取材・文:中平良

