◆『田鎖ブラザーズ』

 金曜よる10時放送の『田鎖ブラザーズ』(TBS系)も面白い。刑事の兄・田鎖真(岡田将生)と検視官の弟・田鎖稔(染谷将太)の兄弟が毎回難事件に挑み、その一方で、公訴時効廃止の2日前に時効成立となった2人の両親を殺害した犯人を追う刑事モノだ。

 真は面倒くさがりで不真面目な性格をしているが、両親がされた事件の時効が成立した過去を持つため、熱さを見せることもしばしば。岡田といえばシュッとした役どころが多いが、両津勘吉のような不真面目さを持ち、さらには被害者に感情移入する熱血漢を演じるのは珍しい。「だらしなさ」と「エネルギッシュさ」という、どちらも岡田が演じるには珍しい要素を持ち、新鮮さがある。

◆中二心をくすぐる染谷の演技

 一方、稔は真と真逆で、しっかりと仕事はするがどこかドライな、冷静かつ慎重な性格。こういった役を演じる時の染谷の空気感はとても心地良い。絶対的に能力が高いものの、それを安売りはせず、重要な局面でいかんなく発揮する。中二心をくすぐるようなクールガイだ。

 また、1話では無事に事件が解決したかと思いきや、ラスト数分で一気に事態が変わるなど、最後まで目が離せない展開になっている点も特筆すべきだ。ラストで急にストーリーが動き出し、ワクワク感を煽るBGMが鳴り響き、そして次回予告。視聴者心理を理解した構成となっており、翌週の放送を楽しみにさせてくれそうだ。

◆『産まない女はダメですか? DINKsのトツキトオカ』

 最後は月曜よる11時6分放送の『産まない女はダメですか? DINKsのトツキトオカ』(テレビ東京・BSテレ東)。

 かつてドロドロ系ドラマが多かった同枠。最近は『キンパとおにぎり〜恋するふたりは似ていてちがう〜』『シナントロープ』といったラブストーリードラマが続き、『夫よ、死んでくれないか』や『夫の家庭を壊すまで』のような既婚女性がメインのドラマはあまり放送されていなかったが、久しぶりに帰ってきた。

 本作は毒親の母親・愛子(西田尚美)に育てられた経験から「子どもを持ちたくない」と考える金沢アサ(宮澤エマ)が、夫・哲也(浅香航大)の「こっそり穴をあけていた避妊具を使用する」という“策”にはまり、望まない妊娠をしてしまうところから始まる。

◆レディコミ王道を詰め込んだ展開

 哲也から優しい言葉をかけられ、アサは出産を決意するも、哲也は想像力が欠如しているのか、妊娠中のアサへの気遣いはまったく見せない。さらには、哲也に好意がある素振りを見せる宇都宮沙也香(秋元真夏)が登場するなど、少年漫画で言うところの“友情・努力・勝利”のように、“クズ男・毒親・不倫”というレディコミの王道をギュッと詰め込んだ内容になっている。

 ちなみに、哲也が仲の良い同僚・梨田明(前原瑞樹)からたしなめられる場面も少なくない。前原といえば、昨年大ヒットしたドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(TBS系)にて、亭主関白気質の主人公・海老原勝男(竹内涼真)に寄り添う後輩・白崎ルイを演じていた。勝男は無事に“更生”したが、哲也はどんどんヤバいやつになっていく。明、もとい前原の視点で、勝男と哲也という2人を比較して視聴するのも面白い。

 まだまだTVerの見逃し配信でも間に合う作品もあるため、気になる作品はぜひチェックしてみてもらえればと思う。

<文/望月悠木>

【望月悠木】
フリーライター。社会問題やエンタメ、グルメなど幅広い記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。X(旧Twitter):@mochizukiyuuki