画像:関西テレビ放送『銀河の一票』公式サイトより
 春ドラマが放送開始してから1カ月近くが経過し、「これは最後まで見たい」と思えるドラマが決まってきた。ドラマ好きの筆者が最後まで見届けたいと思った4作品を紹介したい。

◆『銀河の一票』

 まずは月曜よる10時放送の『銀河の一票』(カンテレ・フジテレビ系)。2022年に同じ枠で放送され、大きな注目を集めた『エルピス―希望、あるいは災い―』を手掛けた佐野亜裕美氏がプロデューサーを務めることでも注目されている本作。

 与党の重鎮であり父親の星野鷹臣(坂東彌十郎)が過去に起こした問題を探ろうとしたために、政界を追い出された秘書・茉莉(黒木華)が、スナックのママ・あかり(野呂佳代)を都知事に当選させることを目指す物語だ。

◆『エルピス』の再来になるか?

 1話では、茉莉はあかりの店で、あかりや常連客が政治に無関心であることを知った時、「政治の話じゃないです。私たちの話です。手は届きます。届かなきゃダメなんです。変えられないって、変えようとしたことありますか? 政治家はえらい人じゃないです。単なる代表です」「手放さないでください、幸福追求の権利。世界全体が幸福にならないうちは個人の幸福はありえないんです」と涙ながらに口にするシーンがあった。

 『エルピス』同様に政治を軸に据えた内容となっているが、同作よりは有権者をドキッとさせるシーンが目立ち、こうした場面が今後も描かれることを期待したくなる。政治に関心のないあかりが、どのように「個人的なことは政治的なこと(The Personal is Political)」を捉えていくのか見ものだ。

 また、「野呂に当て書きしたのか?」と思えるほど、あかりというキャラへの安心感がすさまじい。最近では『リブート』(TBS系)をはじめ、これまでヒット作にいくつも出演するなど、順調にキャリアを築いてきた野呂ではあるが、『銀河の一票』は野呂の代表作になりそうだ。野呂の演技にも注目したい。

◆『リボーン〜最後のヒーロー〜』

 次は火曜よる9時放送の『リボーン 〜最後のヒーロー〜』(テレビ朝日系)。

 2026年に世界的に成功している実業家の根尾光誠(高橋一生)がある日、何者かに階段から突き落とされ、目を覚ますとそこは2012年。さらには、根尾光誠ではなく、2026年に光誠が強引な手段で立ち退きを働きかけた下町の「あかり商店街」で暮らす青年・野本英人に転生してしまう。光誠は英人として振る舞いながらも、自分を突き落とした犯人を探すため、さらには商店街を立て直すために奔走する。

 ミステリー要素やSF要素、さらには『下町ロケット』(TBS系)のような人情系のお仕事モノの要素と、てんこ盛りの内容と言っていい。一見、要素が渋滞しているために、見づらさを覚えそうだが、“既視感”が逆に見やすさを与えている。

◆『リブート』の類似ドラマ?

 本作は言ってしまえばアニメで頻繁に描かれている“転生モノ”だ。転生モノは、転生時に何か特別なスキルが備わり、それを駆使して無双していく展開が多い。

 本作でも、光誠自身が持つビジネスセンス、さらには“未来の成功事例”を2012年に導入し、商店街を盛り上げていく。“転生モノ”で見慣れた展開になっているからこそ、親しみを持って見ることが可能だ。なにより、アニメでよく使われる設定をドラマに落とし込めている要因として、高橋の表現力が挙げられる。転生したことに困惑する高橋の演技にクスッとさせられ、ついつい設定や世界観を受容できてしまう。

 「中身が入れ替わる」という設定に加え、『リボーン』というタイトルから、前期に大ヒットした日曜劇場のドラマ『リブート』を連想し、「『リブート』のパクリじゃん」「そういうドラマはしばらくはお腹いっぱい」といった声がSNSでちらほら見られる。ただ、『リブート』とはまた違った切り口で、『リブート』が好きな人こそ好きそうなドラマだ。