フロリダ州のパームビーチ国際空港にエアフォースワン(大統領専用機)から降り立つトランプ氏=25日/Kent Nishimura/AFP/Getty Images

(CNN)発表からわずか1日で特使らのパキスタン派遣を突然取りやめたトランプ米大統領の判断は、追加協議に向けた米国の条件がまだ満たされていないことを明確に示す。

長時間に及んだ前回の交渉が合意なしで終わってから14日間、米国の当局者はイランに対して二つのことを求めていた。イランの核開発に関するトランプ氏のレッドライン(譲れない一線)を踏まえた交渉案を提示すること、そして誰が責任者なのかをイラン政府からより明確に示すことだ。

前日の時点では、動きがあったように見えた。

ホワイトハウスのレビット報道官は24日、「ここ数日、イラン側に一定の進展が見られる」と説明した。

だが、イランから伝えられた進展は不十分だったようだ。アラグチ外相はイスラマバードでパキスタンの当局者にイランの最新の提案内容を説明していたが、アラグチ氏がイスラマバードを発った約1時間後、トランプ氏は派遣中止を決めた。

トランプ氏が中止の主な理由として示唆したのは、フライトにかかる時間(少なくとも17時間)と、突破口が開ける可能性の低さを天秤(てんびん)にかけた費用対効果分析だった。

米国の当局者の間では依然、イラン政権内には穏健派と強硬派の対立があり、イランの交渉姿勢を一本化する妨げになっているとの懸念がくすぶる。

トランプ氏はSNSトゥルース・ソーシャルに、「イランの『指導部』内には激しい内紛と混乱がある。誰が責任者なのか、彼ら自身も含めて誰も分かっていない」と投稿した。

この結果、米国とイランの間では合意に至らない状況が続くことになった。合意に向かっている兆しすら見えない。

トランプ氏は、これは自身ではなくイランの問題だと強調する。

「我々はあらゆるカードを握っている。彼らは何も持っていない!」としている。

ただ、トランプ氏は早期の合意に無関心な立場を明言しているとはいえ、合意がない状態でどうやって戦争が終結し、ホルムズ海峡が再開されるのかは依然不透明なままだ。

本稿はCNNのケビン・リプタック記者による分析記事です。