【マイティボンジャック(ファミコン版)】 1986年4月24日発売

 1986年4月24日にテクモ(現:コーエーテクモゲームス)が発売したファミリーコンピュータ用ソフト「マイティボンジャック」が、本日で40周年を迎えた。

 本作は、主人公のジャックを十字キーとジャンプ、マイティパワーの2ボタンで操作し、魔王が支配し数々の敵が巣食うピラミッドを舞台に、全16ステージ(※ファイナルステージを含めると全17ステージ)クリアを目指すアクションゲーム。テクモの記念すべき、ファミコン参入第1弾タイトルでもある。

 敵の攻撃を避けながら各ステージのマップ上を進み、最終地点の「王家の部屋」ですべての爆弾を取り、出口の扉に入ると次のステージに進む。ジャックは敵に捕まる、炎やガイコツの床に触れる、またはタイムオーバーになるとミスとなり、ジャックのストックがゼロになるとゲームオーバーとなる。

 以下、本稿では、筆者が発売直後に遊んでいた当時の体験もふまえ、本作ならではの魅力や面白さを改めて振り返ってみた。

※写真はNintendo Switch Online版(以下同)

広大なマップを飛び回れる楽しさに大興奮

 筆者が本作の存在を初めて知ったのは、マンガ雑誌の「コミックボンボン」に掲載された紹介記事だったと記憶している。

 アーケード版「ボンジャック」は、ひたすら爆弾を取っていく固定画面のアクションゲームだったが、ファミコン版の「マイティ」は縦、横に広がる広大なマップが舞台になるという。当時から、アーケード版を気に入っていた筆者は「遊んでみたい!」と、一読してすぐに興味がわいた。

広大なマップを、横にも縦にも自由に飛び回れるのがとにかく楽しい

 筆者は当時、本作を買う小遣いを持っていなかったが、幸運にも発売直後に購入した友人が何人かいたこともあり、友人宅で早速遊ばせてもらった。

 ジャックの基本操作はアーケード版とまったく同じで、敵キャラの種類や行動パターンもほぼ同じだったので、すぐに慣れることができた。逆に、BGMはアーケード版とはまったく異なるオリジナル曲に変わっていたが、その軽快なリズムとメロディも一発で気に入った。

 一定数の爆弾を取ると出現するパワーボールを取ると、画面内の敵が金貨に変わるルールも、固定画面となる王家の部屋では、ボーナスコインなどの出現するアイテムも同じだったこともあり、序盤のステージは特に苦労することもなく、順調に攻略を進めることができた。

王家の部屋は、元祖アーケード版と同様に固定画面となる

パワーボールを取ると敵が5秒間、金貨に変わるのもアーケード版と同じだ

 マップ上のあちこちにある宝箱は、ジャックを箱の上に着地させてからジャンプすると開く仕組みになっている。中身の大半は宝袋(得点アイテム)だが、まれに出現するマイティコインを1個取るごとにマイティパワーが1ずつストックされる。マイティパワーはBボタンを押すと発動し、最高3段階までアップする。

 マイティパワーを1にすると初期状態では開かない、オレンジ色の宝箱が開けられるようになり、2にすると宝箱が横から触れるだけで開くようになり、3にすると画面内の敵を金貨に変える効果が得られる。特に、パワーボールと同じ効果を持つマイティパワーを3にすると、敵に囲まれて逃げ場を失っても瞬時にピンチを回避できるのですごく気持ち良かった。

これが本作の超重要アイテム、マイティコイン

オレンジの宝箱を開くためには、マイティパワー1の状態にすることが必要だ

マイティパワーを2にすると、宝箱を横から触れるだけで開けるようになる

最強のマイティパワー3にパワーアップした瞬間、画面内の敵が金貨に変わりピンチ脱出!

 ただし、マイティパワーのストックが10になると、ペナルティとして拷問部屋に強制的にワープさせられてしまう。拷問部屋では、敵をかわしながら一定回数のジャンプをすると脱出できるが、脱出後は各ステージのスタート地点に戻され、マイティパワーがゼロの状態で再開するので、かなり不利になってしまう。

 拷問部屋の存在は、発売前から雑誌の記事を通じて知っていた。ところが、いざ自分でプレイすると「いざという場面のために、たくさんストックしておかなくては」と、出現したコインを片っ端から取りまくり、ついついワナに引っ掛かってしまう。筆者のほか、プレイヤー仲間もなぜか同じ失敗を繰り返し、悪戦苦闘したことも今となっては楽しい思い出となった。

マイティコインを10個ストックすると、本作名物の「拷問部屋」に強制的にワープさせられてしまう

数々の難解な謎解き、強敵の出現に驚愕した思い出

 本作では、マップ上のあちこちに宝箱が隠され、その多くは出現地点でジャンプすると姿を現す。筆者もゲーム仲間のみんなも、そのほとんどは偶然による発見であったが、それでも見付けたときは本当に嬉しかった。

 特に、ごく一部の宝箱から出現するスフィンクスを取ると、隠し部屋へとつながる扉が開くこともあり「謎を解いてやったぞ!」とテンションが大いに上がったものだ。

本作には、特定の場所でジャンプすると出現する宝箱が随所に存在する

ステージ2より。スフィンクス取ると隠し部屋の入口が開かれる

 ところが先のステージに進むと、スフィンクスが出現する宝箱がどこにあるのか、まったくもってわからない。筆者も友人たちも自力で探すのは極めて難しく、ファミコン専門誌の攻略記事や裏技コーナーの情報が頼りであった。

 いつのことだったか、ファミコン雑誌の攻略記事か何かで、ステージ7で本来は触れると即死する炎の部分に、スフィンクスが出現する宝箱があると知ったときは「こんなのわかるかよ!」と、誌面に向かってツッコミたくなるほど驚かされた。

 マップの形状も、先のステージに進むとさらに複雑さを増し、序盤のステージ4の段階で途中でルートが分岐する、とても広いマップが登場する。敵も移動スピードがアップしてどんどん手強くなるので、その都度逃げ場を確保するのが本当に難しかった。

ステージ14の写真の扉は、タイマーが60まで減ったときに触れると中に入ることができる

隠し部屋に捕らわれていたジャックの兄を発見。救出すると1UPする

ステージ7より。写真の位置で炎の床に乗ってジャンプを繰り返すと床が消え……、

その下に隠された宝箱の中からスフィンクスが姿を現わす!

 マニュアルにも載っていない、未知のアイテムを自力で発見して大喜びしたことも、今でもよく覚えている。

 しかし、肝心のアイテムの取り方と、その効果がまったくわからないという、ここでも謎に直面した。筆者は本作をやり込んでいた当時、この情報が載っていた雑誌の記事などを見たことがなかった。なので「きっと、出現させただけで何か効果があるアイテムなんだろうな……」と想像していた。

 実は、このアイテムの正体は「シークレットコイン」という名称で、取るためにはマイティパワーを3まで上げることが必要で、取った枚数によってエンディングの種類が変わる効果を持っている。つまり、筆者は大いなる勘違いをしていたのだが、本アイテムの効果を初めて知ったのは、後に本作を遊ばなくなってから、たまたま手に取った攻略本を読んだのがきっかけだった。

 本作には得点とは別に、ゲームオーバー時にプレイヤーの成績を示す「GDV」(ゲーム偏差値)も表示される面白いアイデアが導入されていた。だが、これらの仕掛けがあまりにも難しく、筆者は偏差値アップを意識しながらプレイするだけの余裕は、正直言ってまったくなかった……。

希少なアイテム「シークレットコイン」を取るためには、マイティパワー3にする必要がある

こちらも超重要アイテムの水晶。最初はその存在すら全然知らなかった……

「GDV」が表示された画面

裏技を駆使してもかなわなかった全ステージクリア

 当時のファミコン専門誌や、テレビ東京系列で毎週放送されていた番組「ファミっ子大作戦」で紹介された、さまざまな攻略パターンや裏技を試しながら遊んだことも、筆者にとって本作は思い出深いものとなった。

 今でもよく覚えているのは、王家の部屋で、最初に導火線に火が付いた爆弾を最後に取ってから脱出すると、次のステージではメインのマップを飛ばして王家の部屋までワープする裏技だ。マップ上には難解な仕掛けが多く、なかなか先のステージに進めなかった筆者は、ある日「この裏技を繰り返せば、最終ステージまで簡単に行けるのでは?」と、ふと思い付いた。

 早速、ワープの裏技を試したら、先のステージに進むとあっという間に敵に囲まれやられてしまう、とんでもなく難しい場面が続出し、またしても魔王が支配するピラミッドの高い壁に阻まれた。しかも、1回でもミスをすると通常マップのスタート地点からやり直しになるため、あっけなく「企画倒れ」となってしまった……。

王家の部屋で、最初に点火した爆弾を最後に取ってからクリアすると……、

次のステージの王家の部屋にワープする!

 本作で隠れキャラとして初登場したのを機に、テクモ作品の名物となったウサギのマスコットキャラクター「テクモプレート」の存在も今なお忘れ難い。

 「テクモプレート」を出現させるためには、トーテムポールの上で敵を避けつつ、何度も何度もジャンプを続けることが必要で、時間もかなり掛かることもあり、初めのうちはなかなか成功しなかった。それでも練習を繰り返し、初めて取れたときはジャックが1UPし、さらに10万点もの大ボーナスがもらえることもあって本当に嬉しかった。

 結局、筆者も友人たちも、雑誌の記事やテレビ番組で得た攻略、裏技情報のほか、方眼紙を使ったマッピングなどあの手この手を尽くしたものの、誰一人としてエンディングに到達することはできなかった。それでも筆者は、アーケード版では体験できなかった、軽快なBGMを聞きながら広大なマップを飛び回る冒険がとても楽しく、今でもお気に入りの一本となった。

【テクモプレート】

ステージ5の写真の位置にあるトーテムポールに、テクモプレートが隠されている

 本作は、現在でもNintendo Switch Onlineで配信されているので手軽に遊べる。セーブとロードができるほか、失敗したら直前の状態からやり直せる、便利な巻き戻し機能も搭載されているのが実に嬉しい。

 さらにNintendo Switch Online版では、4種類あるエンディングのうち、ベストのエンディングが見られる条件を満たしたうえで、いきなり最終ステージから遊べる「高ゲーム偏差値バージョン」が遊べるのも実にありがたい。

 本作ならではの空中飛行と謎解きの楽しさを、この機会にぜひ体験していただきたい。

いきなり最終ステージから遊べる、Nintendo Switch Online版「高ゲーム偏差値バージョン」

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