震度5強観測で“北海道・三陸沖後発地震注意情報”を発表 一時津波警報も…巨大地震が発生する可能性が普段よりも高まる 引き続きの警戒と備えを!【news23】
20日(月)三陸沖で発生した最大震度5強の地震。一時、津波警報が出されましたが、午後11時半すぎ解除されました。気象庁は今夜、「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表。巨大地震が発生する可能性が普段よりも高まっているとして注意を呼びかけています。
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津波警報で18万人超に避難指示 岩手県の久慈港で80センチの津波を観測
防災無線
「津波警報です。高い津波が来ます」
20日夕方、青森県で最大震度5強を観測した強い地震。この地震で気象庁は、北海道・青森県・岩手県に一時、津波警報を出しました。
記者
「午後6時37分です。北海道・太平洋沿岸西部、津波注意報が出ている苫小牧市です。沖合を見ると津波を逃れるためか複数の船が沖合に向けて航行している様子が確認できます」
その15分後には…
記者
「波が強くなっている様子が確認できます。小さな川のようなところ、波が少し遡上しているのが確認できます」
北海道広尾町の港でも、船が次々と沖へ避難。高台には、避難しに来たと思われる車が集まっていました。
岩手県久慈市の久慈港では、午後5時34分に80センチの津波を観測。
この他、岩手県宮古港で午後5時22分に40センチ、青森県八戸港でも午後6時39分に40センチの津波を観測しました。
午後8時15分、気象庁はすべての津波警報を津波注意報に切り替えましたが、防衛省によりますと、青森県の海上自衛隊・八戸航空基地には一時190人が避難しました。
総務省消防庁によりますと、北海道と青森県、岩手県、宮城県、福島県の18万2000人あまりに避難指示が出ているということです。
「突き上げる感覚」商業施設では屋上へ買い物袋を下げたまま避難
三陸沖を震源とする地震があったのは午後4時52分ごろ。震源の深さは19キロで、地震の規模を示すマグニチュードは暫定値で7.7だということです。
青森県階上町では最大震度5強、青森県八戸市や岩手県盛岡市などで震度5弱を観測しました。
ATV青森テレビ・八戸支社では、激しい音をたてながら建物がきしみます。
市内にある会社の事務所でも…
「やばいやばいやばい。これ、でかいぞ」
市内のスーパーでは、店内の棚にあった日用品などが大きく揺れました。
商業施設では、施設の屋上にある駐車場に多くの人が買い物袋を下げたまま避難しました。
去年12月の震度5弱の地震で、石灯篭が倒れるなどの被害を受けた長者山新羅神社も再び揺れに襲われました。
長者山新羅神社 柳川泰孝 禰宜
「横揺れが1分ぐらい。最後の揺れが収まるころに一番大きい揺れを感じた。突き上げるような感覚は最後あった。本・CDが落ち、テレビが倒れて壊れた。神社にお供えしてるお神酒や水が落ちた」
建物への被害も出ています。
「地震が来て1分くらい揺れた」八戸市のビルの外壁の一部が剥がれ落ちる
記者
「八戸市長横町です。建物、数メートル上を見ると外壁が剥がれています。そして瓦礫が落ちていて、その破片が2メートル、3メートルに渡って、広がっています」
警察によりますと、八戸市のビルの外壁の一部が剥がれ落ちたという情報があったということです。
また青森県では、東北町で20代の女性1人が転倒し、軽いけがをしました。
震度5弱を観測した岩手県。滝沢市にある運送会社の営業所では、揺れを感じ、屋外へ避難する人の姿も。
地震発生時、久慈市にいた人は…
「地震が来て1分くらい揺れた。結構大きかった。棚の物が落ちた」
岩手県では、盛岡市で転倒して1人がけがをしたほか、奥州市で1人が体調不良を訴えているということです。
強い揺れは、東京でも。東京消防庁によりますと、都内でけが人がいるという情報はないということです。
震度4の地震を観測し、現在、避難指示が出ている宮城県気仙沼市の市民会館には避難する人の姿がありました。
避難してきた人
「いきなり揺れたので慌てて買い物の商品を戻して、すぐ外に出て、そのまま避難してきた。かなり久しぶりに結構強い地震がきたなって」
こちらの避難所では一時80人以上が避難し、午後8時半の時点で6人がここでの避難を続けているということです。
交通機関にも影響が出ています。
東北新幹線は一時的に停電 気象庁は「北海道・三陸沖後発地震注意情報」発表
乗務員
「大きな地震が発生する可能性があります。身をかがめていただくようお願いします」
これは岩手県一関駅と宮城県のくりこま高原駅の間を走行していた東北新幹線の車内の様子です。
東北新幹線では、地震の影響で一時的な停電が発生。東京−新青森間の全線で一時運転を見合わせました。在来線も一時運転見合わせとなり、仙台駅でも混乱が続きました。
記者
「地震の発生を受け、現在一部の列車が運転を見合わせているため、改札の前には多くの人だかりができています」
通学客
「(Q.ずっと待つ予定か)待つしかない」
通勤客
「仙台に泊まるか迷っているところ」
気象庁は今夜、「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表しました。
内閣府(防災担当) 桝谷有吾 企画官
「今後一週間に約1%の確率でマグニチュード8以上の大規模地震が発生する可能性がある」
北海道の根室沖から東北地方の三陸沖にかけ、太平洋沖の海底では新たにマグニチュード8クラス以上の巨大地震が発生する可能性が普段よりも高まっているということです。
対象は北海道・東北・関東の7道県182の市町村で、気象庁は地震への備えをするとともに、政府やそれぞれの自治体からの呼びかけに従って防災対応をとるよう求めています。
「北海道・三陸沖後発地震注意情報」発表 必要な備えは?
日本列島の太平洋沖の海底には、関東の房総沖から東北の三陸沖を経て、さらに北へ、択捉島の東方沖へとつながるプレートの沈み込み帯「日本海溝」と「千島海溝」があります。
過去にはその周辺で、津波を伴う巨大地震が繰り返し起きてきました。
そして、そのひとつが2011年、東日本大震災を引き起こした「東北地方太平洋沖地震」です。
このときも起きていたように、巨大地震に先立ち「ひとまわり小さい地震」が稀に発生することがあり、それを「前兆」と捉えて備えようというのが、「北海道・三陸沖後発地震注意情報」です。
求められるのは、地震への備えの再確認のほか、非常持ち出し品の常時携帯や逃げられる態勢での就寝などの「特別な対応」です。
期間は1週間で、対象エリアは7道県(北海道・青森・岩手・宮城・福島・茨城・千葉)の太平洋沿岸を中心に、計182の市町村です。
では、「備えるべき巨大地震」とはどのようなものなのでしょうか。
「日本海溝地震」が発生した場合、青森県の太平洋沿岸などで震度6強の揺れ、岩手県・宮古市で最大30メートルの津波が想定されています。
また、「千島海溝地震」の場合も北海道の厚岸町付近で、震度7の揺れや大津波が想定されています。
国の試算によると、最悪の場合、全国における死者の数は約19万9000人にのぼる一方で、大半が津波による被害のため、事前の備え・迅速な避難によって「犠牲者は8割減らせる」とされています。
注意が必要な「後発地震」とは?今回は震源が浅く津波が起きやすい地震
小川彩佳キャスター:
気象庁は20日午後7時半に「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表しました。
改めて、私たちはどんなことに注意する必要があるのでしょうか。
気象庁担当 本杉美樹記者:
「北海道・三陸沖後発地震注意情報」というのは、北海道の根室沖から東北の三陸沖にかけて今回の地震とは別の新たな巨大地震が起こる可能性が普段よりも高まっていることを示すものです。これは地震予知の情報ではありません。
【「巨大地震の可能性が平時より高まっている」の意味】
7日以内にM8級の後発地震が起きた過去の事例
19/1529事例≒約1.2%
※平時は約0.1%
平時と比べると約10倍高くなっていますが、1%しかないということを踏まえて冷静に行動しつつ、警戒感を上げていただければと思っています。
小川彩佳キャスター:
注意が必要な「後発地震」とは一体何なのか、過去の事例を見てみましょう。
【「より大規模な後発地震」過去の事例】
2011年 東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)
先発地震 マグニチュード7.3
発生 3月9日
震源 三陸沖
最大震度 5弱(宮城県)
↓
後発地震 マグニチュード9.0
発生 3月11日
震源 三陸沖
最大震度 7(宮城県)
1963年択捉島南東沖地震
先発地震 マグニチュード7.0
↓約18時間後
マグニチュード8.5
2011年にあった東日本大震災も、3月9日にあった地震の後発地震になります。
東京大学 地震研究所 青木陽介准教授:
一般的に地震は最初に1番大きいものが来て、その後は小さい余震が続いていくものが大半です。
ただ、東日本大震災では3月9日に今日(20日)の地震と変わらないぐらいの地震が起きて、この後余震が続くと思っていたところで2日後にマグニチュード9.0の地震が発生しました。
小川キャスター:
後発地震に備えるということで、「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発表されています。
2025年12月にも「北海道・三陸沖後発地震注意情報」は発表されており、今回で2回目です。今回の地震は、特徴としてはどういったことが挙げられるでしょうか。
東京大学 地震研究所 青木准教授:
東日本大震災が発生したときの震源域のすぐ外側で、今日(20日)の地震が発生したところが特徴になります。
2025年の12月との違いは、震源の深さが浅かったことです。より津波の出やすい地震だったということです。
震源が東日本大震災が発生したマグニチュード9の地震の近くで、東日本大震災発生当初から次はここが危険かもしれないという意識はあった場所です。
防災対応対象エリアは太平洋沿岸の7道県・182の市町村 必要な心構えは
藤森祥平キャスター:
防災対応を求められることになった対象エリアは、太平洋沿岸の7道県(北海道・青森県・岩手県・宮城県・福島県・茨城県・千葉県)の合わせて182の市町村です。
具体的にはどのような心構えが必要でしょうか。
気象庁担当 本杉記者:
日頃の地震の備えを再確認していただきたいと思います。
求められる防災対応は、
▼家具の転倒防止
▼避難場所・経路の確認
▼家族との連絡方法の確認
この1週間の間は特別な防災対応が呼びかけられています。
▼非常時の持ち出し品を仕事や外出のときにも持ち出す
→特に貴重品や身分証明書、また停電する恐れがあるので現金や常備薬、コンタクトや眼鏡などの日常的に必要なものを忘れずに持ち歩く
▼逃げられる態勢で就寝
→津波が来たときに速やかに外に出られるようにする。ジムやランニングに行くような外に飛び出せる程度の格好をして、ヘルメットや靴を待つ枕元で準備をして就寝
小川キャスター:
対象の地域の方以外も備えの見直しなどをお願いしたいと思います。
この1週間、私たちが気にしなければならないことはどんなことでしょうか?
東京大学 地震研究所 青木准教授:
いつも通りの生活をするということです。その上で、大きな地震が万が一起きたときの備えをこれを機にしっかりしておくということが大事です。そして、確かな情報に触れていくことも必要です。
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<プロフィール>
青木陽介
東京大学地震研究所 准教授
地震・火山活動による地殻変動を研究
本杉美樹
TBS報道局社会部 気象・災害担当
気象予報士の資格も取得
