日本プロ野球選手会がNPB側にピッチコム早期導入を要望 近藤健介会長「サイン盗みの疑いもなくなる」
日本プロ野球選手会と日本野球機構(NPB)による事務折衝が20日、都内で行われ、選手会会長の近藤健介外野手(ソフトバンク)、副会長の源田壮亮内野手(西武)、松本剛外野手(巨人)らが出席した。
選手会は3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で新たなルールとして採用され、侍ジャパンの国内組が苦戦したピッチコム(サイン伝達機器)の導入を要望したことが明らかになった。近藤会長は「ピッチコムに関しては(導入は)それほどハードルは高くないのかなと考えています。球団の方も(同じように)考えているので」と説明。「サイン盗みの疑いもなくなると思いますし、連携プレー、サインプレーも非常にやりやすかったという声を多く聞いている。内野の連携の面でメリットは高い」と要望の理由を語った。
一方でピッチクロックに関しては「投手の影響も慎重にこれから考えていきたい」と負担面を考慮し、要望を出すには至らなかった。
史上初の8強敗退という原因の一つとなったピッチクロックとピッチコム。大会後に、ドジャース・大谷が「世界で勝ちたいなら導入するべき」と提言し、野手最年長のヤクルト・中村悠が「メジャーと日本のNPBの差をすごく感じた。日本もピッチクロック、ピッチコムとかを導入してより向こうに近づきながら、日本の選手のスキルを上げていったほうがいんじゃないかと思いました」などと私見を披露していた。
ピッチコムの導入に関しては、NPB側は前向きに検討するという意見があったという。「OKが出たら12球団一斉にスタートするわけではなくて、やりたい球団はやっていく。選手が対応できるのであればすぐにでも、ということは言わせてもらいました」と導入時期について言及。早ければ今季終盤に導入される可能性もありそうだ。
◆ピッチクロックの主なルール
▽投手側の制約 投手は無走者時は15秒以内、走者がいる場面では18秒以内に投球動作に入らなければならず、違反するとカウントに1ボール加算。前の打者が完了してから次打者の初球までは30秒となる。
▽打者側の制約 15秒ないし、18秒からタイマーがスタートされ、残り8秒以内に構えなければ1ストライクが加算。打席を外せるのは1打席につき1回で、2回目だと1ストライク加算される。
▽イニング間 インターバルはMLBのルールでは2分25秒。
▽タイマー 審判員とピッチタイマーが連係をしながら、ケース・バイ・ケースで運用。例えば投手がスパイクのひもがほどけたり、球場内で何らかのアクシデントがあればタイマーはストップされ、野手が守備位置についてからタイマーを作動させる。
◆ピッチコム
サイン盗み防止などの観点から、メジャーでは22年から導入された。春季キャンプから各球団は約15〜20試合ほど実戦で試してからシーズンに突入。準備期間があった上に、翌23年に投手から捕手へのサイン伝達が解禁されるなど、段階的な手順が踏まれた。一方、いまだに通信トラブルなどで試合中に機器を交換するシーンも珍しくはない。
サインを伝達するリモコンは9個のボタンがあり、投手は帽子前方の裏側に細長い受信機を入れ込み、捕手は左手首付近にリモコン、耳にはイヤホンを装着してプレー。違和感に慣れる必要がある上に、各機器から伸びるアンテナが絡まると、受信しにくいケースもあるという。
