中国CAS Space、「力箭1号(Kinetica 1)」で「郵儲銀行号」など衛星8機を軌道投入
中国の商業宇宙企業CAS Space(中科宇航)は日本時間2026年4月14日13時03分、酒泉衛星発射センターの東風商業航天創新試験区から「力箭1号(Kinetica 1)」ロケットを打ち上げ、地球観測衛星「吉星高分07A02星」などを含む衛星8機を所定の軌道へ投入することに成功しました。
打ち上げに関する情報は以下の通りです。
打ち上げ情報:力箭1号(一箭八星)
・ロケット:力箭1号(Kinetica 1)遥十二
・打ち上げ日時:日本時間 2026年4月14日 13時03分
・発射場:酒泉衛星発射センター 東風商業航天創新試験区(中国)
・ペイロード:吉星高分07シリーズ 8機
※吉星高分07A03星は「郵儲銀行号(邮储银行号)」と名付けられています。
郵儲銀行号は、中国のメガバンクである中国郵政儲蓄銀行と長光衛星技術が共同開発した、金融実務への活用に特化した衛星です。この衛星は単なる観測目的ではなく、収集したデータを農業融資の判断や森林資源の管理、再生可能エネルギー施設の稼働状況モニタリングといった金融与信やリスク管理に直接活用することを目指しています。
機体には0.5メートル以下の解像度を誇る最新鋭の光学系に加え、軌道上で自律的に画像処理を行う「AIアーキテクチャ」が搭載されており、金融ビジネスに必要な情報を効率的に抽出する能力を備えています。長光衛星はこれまでに「吉林一号」シリーズを100機以上打ち上げ、中国最大の商業地球観測コンステレーションを構築していますが、今回の郵儲銀行号の投入は、衛星データを意思決定に直結させる「宇宙 × 金融」の新たなモデルケースとして注目されています。
力箭1号とは
力箭1号はCAS Spaceが開発した4段式の固体燃料ロケットで、高度500kmの太陽同期軌道に約1500kgの打ち上げ能力を持っています。CAS SpaceはCAS(中国科学院)から独立した商業宇宙企業で、広州に産業化拠点を構え、同ロケットの製造から打ち上げまでを一貫して手がけています。
2024年12月に6回目の飛行で第3段の異常により打ち上げに失敗しましたが、その後に原因究明と対策を実施し、2025年5月の遥七から飛行を再開。今回の遥十二で通算12回目の飛行、連続6回の成功となりました。
なお、CAS Spaceは3月30日に液体燃料の新型ロケット「力箭2号(Kinetica 2)」の初飛行にも成功しており、固体と液体の両方のロケットを運用する体制を整えつつあります。
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文/sorae編集部 速報班 編集/sorae編集部
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