月の裏側から見た「地球の入り」や皆既日食を撮影、NASA有人宇宙船が月に最接近

(CNN)歴史に残る瞬間だった。米航空宇宙局(NASA)「アルテミス2」ミッションの有人宇宙船が、月に最接近して約6545キロ上空を通過した。
4人の宇宙飛行士を乗せた宇宙船「オリオン」は月の向こう側を飛行して地球から約40万6771キロ離れ、アポロ13号が打ち立てた1970年の記録を更新していた。
月に最接近した7時間の間に4人の宇宙飛行士は、地球からは見えない月面の光景を人類として初めて目にした。4人から見ると、神秘的な月の裏側は約21%が太陽に照らされていた。
NASAの生中継によれば、4人は約5時間にわたって2交代制で、およそ1万枚の写真を撮影した。
宇宙船が月の裏側を通過する間、地球との通信は約40分間途絶えた。乗員は月の向こう側に地球が沈む「地球の入り」を観測。1968年にアポロ計画の宇宙飛行士が目撃したのと通じるところがある光景だった。
月面にはクレーターが点在している。地球の明るい側はオーストラリアとオセアニアで、上空に雲が浮かんでいる。暗い側は夜だった。
乗員は専門家から、太古の溶岩流や衝突クレーターといった月面の特徴を探す訓練を受けていた。地球の入りの写真は、同心円状の二つの輪のように見えるヘルツシュプルング盆地をとらえていた。
大型の衝突クレーター、オリエンタル盆地の周辺にも輪が見つかった。オリエンタル盆地を人の目で観測するのは初めてだった。
オリエンタル盆地から見て10時の方向には小さなクレーターが2つある。乗員は、そのうち1つを「インテグリティー」と命名し、もう1つは2020年に亡くなったリード・ワイズマン宇宙飛行士の妻をしのんで「キャロル」と命名することを提案した。
その後、宇宙船から見る特別な日食が始まった。
目の前の大きな月が太陽を遮り、周辺には太陽コロナ(太陽の外層大気)が見える。
太陽が完全に月の影に隠れる皆既日食は1時間近く続いた。地球から見る皆既日食は普通、わずか数分しか続かない。
皆既日食の間は火星、金星、土星などの惑星や恒星、さらには地球の光で月が照らされる「地球照」も見えていた。
今回撮影された写真は月に関する理解を深めて月の起源を探る研究に役立つとともに、今後の月面探査の基盤となる。
