ルイ・ヴィトン出店、高級ホテルも続々…北海道・ニセコに「外国資本」が次々と投資を行うワケ
今スキーシーズンも国内外から多くの観光客が詰めかけた北海道・ニセコ。日本随一のリゾートには世界的高級ブランド「ルイ・ヴィトン」が期間限定店舗を出店するなど、メガ資本も勝機を見出している。『超富裕層に「おもてなし」はいらない 世界の一流が日本に惹かれる本当の理由』(講談社+α新書)より、その一部を公開しよう。
世界的なスキーリゾートへ
「カネ余り」時代の象徴の一つがリゾート不動産の活況であり、その頂点に君臨するのがニセコだ。
日本を代表する世界的なスキーリゾートとして君臨する北海道のニセコには、世界最高のパウダースノーに加え、温泉や美食を求め、ゲレンデや街中には、豪州やアメリカ、香港やシンガポールなど多くの外国人で溢れかえっている。モンクレールやボグナーなど高級ブランドのセレクトショップもあり、全身をこうしたブランド服で揃えたモデルのようなスキーヤーも目につく。今シーズン(2025~2026年)は、アウトドアブランドのアークテリクスが体験型ポップアップを開催し、バックカントリーツアーも実施している。
香港のPCPDグループが手掛け2020年に開業した「パーク ハイアット ニセコ HANAZONO」や「東山ニセコビレッジ、リッツ・カールトン・リザーブ」といった外資系ラグジュアリーブランドホテル(外資系最高級ブランドホテル)や飲食店などで働くスタッフは、外国人が大半を占めており、会話は基本英語だ。
「外国人による外国人のための楽園」
ニセコには、海外富裕層などインバウンドだけでなく、日本で暮らす外国人や、日本にビジネス目的で滞在している外国人とその家族も訪れる。スキーやスノーボードだけではなく、有名スポットとして雪と温泉と雰囲気を楽しみに訪問する者も多い。
実際、2024年度のニセコエリア(倶知安町+ニセコ町+蘭越町)の外国人宿泊客延数は前年比約10万人も増加し、約84万人と過去最高を更新している。
北海道新幹線札幌延伸や北海道横断自動車道(後志道)の開通を控えるなか、世界的リゾートニセコの勢いは衰えていない。東京都心と変わらないプレミアム価格で売買される倶知安町などの中心エリアだけでなく、ホテル建設などに伴う従業員用の住宅需要の高まりもあり、倶知安町やニセコ町から更に蘭越町や真狩村周辺町村エリアにまで地価上昇が波及している。
実際にニセコエリアを幹線道路沿いに走ってみると、英語表記の売地看板や、真新しいブラック基調のスタイリッシュな別荘などが増え続けている印象だ。
遂にニセコにルイ・ヴィトン登場
ルイ・ヴィトンが、2023年12月に期間限定の店舗「ニセコ ウィンターリゾート ポップアップストア」をオープンした。
「パーク ハイアット ニセコ HANAZONO」にできたポップアップストアは、スキーやスノーボード、ゴーグル、ヘルメットのほか、バッグやシューズなどを販売。更に、日本初導入となるイタリア・ピニンファリーナのデザインによるフランス製高級ゴンドラの一部が「ルイ・ヴィトン」仕様となり、ゲレンデ前には、ルイ・ヴィトンのモノグラムのロゴをあしらった遊牧民の住居を模した「ユルト」が設置され、ラグジュアリーな冬のリゾートを彩った(写真下)。
期間限定店を経て、この先、ニセコに常設店舗ができても不思議ではないだろう。ルイ・ヴィトンの本店はフランスのパリにあるが、世界中の高級スキーリゾートにも店舗を展開しており、欧州では、フランスのクールシュベル1850、スイスのサン・モリッツ、グシュタード、クラン・モンタナ、米国のアスペンにも店舗がある。こうした世界の名だたるスキー場には、5つ星ホテルやミシュラン店が集まり、ルイ・ヴィトンのような高級ブランド店が軒を連ねることで、更に多くの富裕層を惹きつけるサイクルが生まれている。
筆者は2020年末に『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか「地方創生」「観光立国」の無残な結末』(講談社+α新書)を上梓した。その際に「ルイ・ヴィトンの店舗がニセコにできるときこそ、名実ともにニセコは、世界最高級のスキーリゾートとして認知されたといえるのかもしれない」と予測めいた指摘をしたが、それが現実のものになった。
