40代に差し掛かり、健康面からも「定年後の再雇用」のことを考える機会が増えました。「IT関係」は稼げると聞くし、無理なく続けられそう。今からでも転職先候補として「アリ」?

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いわゆる中高年に差し掛かると、若いころのように無理がきかなくなり、体力の衰えを感じる方もいるのではないでしょうか。そのようなときに、将来のことが不安になり転職を考えることもあるかもしれません。 一見、給与もよさそうで無理なく続けられそうなIT関係ですが、その実態はどうなのでしょうか。65歳以上の就業率の傾向や、年収、制度について解説します。

65歳以上の就業率は“25%程度”で上昇傾向

総務省統計局の「労働力調査(基本集計)」によると、2020年以降の65歳以上の就業率はおおむね25パーセント台となっており、最新の2024年の結果では25.7パーセントとなっています。つまり、65歳以上の方の約4人に1人が、定年後も何らかの形で働いている状況です。
厚生労働省「高年齢者の雇用」によると、令和3年4月に高年齢者雇用安定法の改正が施行されました。ここでは、「定年年齢を65歳以上70歳未満に定めている事業主又は継続雇用制度(70歳以上まで引き続き雇用する制度を除く。)を導入している事業主は以下のいずれかの措置を講ずるよう努める必要があります。」とされています。
その措置の一つとして「70歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度等)を導入(他の事業主によるものを含む)」があります。この改正からも、70歳までの就業機会確保を促す制度整備が進められていることがわかります。

再雇用での年収は「インフラ関連」と「情報通信業」が上位

国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、「65歳~69歳、70歳以上」の平均給与の上位業種は以下の通りです。
 

65歳~69歳の平均給与

・1位:「電気・ガス・熱供給・水道業」969万4000円
・2位:「情報通信業」589万5000円

 

70歳以上の平均給与

・1位:「情報通信業」504万円
・2位:「電気・ガス・熱供給・水道業」488万6000円

この集計結果だけを考慮すると、IT関連(情報通信業)は65歳以降の方にとっても年収的には魅力的な業種であるといえそうです。
もっとも、IT関係は肉体労働の印象が薄い一方で、実際には継続的な学習や長時間の集中が求められることも多く、一概に「無理なく続けやすい仕事」とは言えません。

高年収の「情報通信業」、定年延長・再雇用制度が「ある」企業は少数派?

厚生労働省による令和7年「高年齢者雇用状況等報告」によると、70歳までの就業確保措置を実施している企業はあるものの、その割合には業種差があります。
ただし、70歳までの就業確保措置の規模別・産業別実施状況について、「情報通信業」をみると実施状況は企業規模を問わず20パーセントを下回っていることが分かります。この割合は他業種と比較してみても最下位の数字です。
参考までに、ある信用調査会社の調べによれば情報通信業の平均業歴は「23.1年」で、これは全業種中最短だったといいます。
情報通信業では70歳までの就業確保措置の実施率が低く、再雇用制度などの面に不透明さがあるとも考えられます。一方で、比較的新しい企業が多い業種であることが影響している可能性もあり、実施率の低さだけで制度の整備状況を判断するのは難しいでしょう。

まとめ

情報通信業では70歳までの就業確保措置の実施率が低く、再雇用制度などの面では不透明さが残ります。
ITベンチャー企業など比較的新しい企業が多いことも背景にあると考えられますが、定年後を見据えた働き方という観点では、制度面を慎重に確認すべき業種といえるでしょう。本記事を参考にしていただき、定年後の働き方を考えてみてはいかがでしょうか。
 

出典

e-Stat政府統計の総合窓口 総務省統計局 労働力調査/労働力調査(公表資料、時系列結果など)/結果の概要(各期の主な結果をまとめた資料・報道資料) 基本集計 結果の概要
厚生労働省 高年齢者の雇用
国税庁 標本調査結果 民間給与実態統計調査結果 第12表 業種別及び年齢階層別の給与所得者数・給与額
厚生労働省 令和7年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表します 別表
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー