日課のランニングで大事な機密情報がバレた、という教訓
クスッときたけど、ぜんぜん他人事じゃない。
起きたことだけを話すと、フランス海軍のある士官が、乗っていた船の甲板をジョギングし、そのデータをフィットネスアプリ「Strava」にアップロードしました。
たったそれだけのことなんですが…結構な騒ぎになってしまったんです。
大事な軍事情報をおもらし
この士官が乗っていたのは、原子力航空母艦「シャルル・ド・ゴール」の甲板でした。つまり、空母のリアルタイムな現在位置が意図せず公開されてしまったのです。
フランスのメディア「ル・モンド」がこの出来事を最初に報じたのは、中東に向かう空母の位置情報を、うっかりネット上にさらしてしまったことに対して。
Stravaはランニングやサイクリングのルートを記録・共有するフィットネスSNSですが、Stravaのアカウントはデフォルトで公開設定になっており、ワークアウトを記録すると自動的にルートが公開されます。
実は、これは一度きりの話ではありません。Stravaのデータはかつて、世界中の軍事基地の位置特定に使われたこともあるといいます。
ル・モンドはこの一連の報道を"Stravaleaks"と名付けて問題視。2024年にもマクロン大統領のボディーガードたちのStravaアカウントを追うことで、大統領の行動を追跡できることを実証しています。
フランス軍の広報担当はル・モンドに対し、今回の士官の行動は「現行のガイドラインに準拠していない」と述べており、「水兵たちには定期的に注意喚起している」と説明しています。
なお、マクロン大統領がこの空母の地中海展開を事前に公表していたため、航路自体は周知の事実でした。とはいえ、正確な現在位置が随時ダダ漏れになるのは…やはりまずい。
ここで読者の皆さんに聞いてみたいのですが
「まぁ軍の話だし」と思ったあなた、ちょっと待ってください。
Stravaはもちろん、多くのフィットネスアプリが同様の「デフォルトで公開設定」設計を採用しています。もちろん、コミュニケーションが促進されるなど良い面もあるのですが、使いようによってはこういう問題も起きてしまう。
あなたが毎朝走っているルートは、自宅の場所を特定するのに十分なデータかもしれません。仕事先、学校の送り迎えルート、週末の行動パターンなど、全部が地図上に記録されていくわけですから。
軍の士官だけでなく、政治家、経営者、あるいは何らかのリスクを抱えた一般人でも、こういった「うっかり公開」は現実的な脅威になりえます。
例え軍事機密を持っていなくても、一度は見直してみて損はないでしょう。フランス海軍の士官も、最初は「まあいいか」と思ってタップしたはずですし。
Source: TechCrunch, Le Monde

