Image: Waymo via Gizmodo US

応用問題より、まず基本問題をお願いしたい。

Waymoの車両は、すでに公道で2億マイル以上の自動運転走行を経験済みと報じられています。しかし今のところ、竜巻やゾウに遭遇したことはありません。万が一、そうした事態に遭遇してしまったら、適切な対応はむずかしいでしょう。

そんな、万に一つ、いや10億マイルに一度あるかないか…というレアな事態にもしっかり対応できるように、Alphabet傘下の自動運転企業のWaymoは金曜日、生成AIモデル“Waymo World Model”の導入を発表しました。このモデルを活用すれば、ほぼ無限にあらゆるシチュエーションを再現し、どんなに予測不能な状況が起きても大丈夫なように対応力を強化することができます。これは、AI分野の最新トレンドとも合致する内容。

WaymoのWorld Modelはつまるところ、生成AI技術の他のユースケースと同様の意義があるモデルです。同社では走行中に膨大な高解像度データを収集しており、これまでも、それをもとにリアルな道路を再現することに成功していました。

ただ、今回のモデルはGoogleのGenie 3を活用し、カメラやLiDARセンサーから収集した既存のデータセットを超えるシミュレーションを車両に体験させるのだそう。

Googleは先月、Genie 3のベータ版を一般公開し、一部の有料会員向けにリアルな物理演算を備えた3D世界を生成できるようになったと注目を集めました。

GoogleのGeminiを含め、大半のAIツールは大規模言語モデル(LLM)を基盤技術としており、膨大な量の学習データを用いて最も可能性の高い予測を行います。

それに対し、World Modelは物理法則や空間特性といった現実世界のダイナミクスを学習し、物理環境の動作をシミュレーションします。

Waymoはその技術を活用し、自社の車両に対し、実際に遭遇したら大ピンチ…というようなシナリオを網羅するトレーニングを行う予定。これには極端な気象条件や自然災害も含まれており、たとえば竜巻や洪水の中でどのように走行するか、といったケースを車両に学習させます。

他にも、木の枝が落ちてきたり、瓦礫が散乱する事故に遭ったり、といった突然の緊急事態や、道路に象が現れるといった予期せぬ事態にも対応させるとのこと。

同社は、「『あり得ない』ことをシミュレートすることで、Waymo Driverが極めて稀で複雑なシナリオに事前に対応できるよう準備します」と説明しています。

理論的にはたしかに妥当ですが、World Modelにも欠点がないわけではありません。消費者向けGenie 3の初期のフィードバックはやや不安定で、World Modelは依然として幻覚現象の影響をの影響を受けやすいのです。当モデルはまだ導入したばかりの初期段階なので、改良の余地は十分にあります。

実際、Waymoは現実世界で何度か問題を起こしてきました。昨年末、Waymoが飼い猫のキットカットをはねてしまい、先月にはスクールゾーンで児童に接触するという事故が起きました。公道に出る以上、こうした状況は珍しいものではありません。ですから、Waymoは起こる可能性の少ない事態だけでなく、いわゆる日常の危険やシナリオへの対応を洗練してほしいものです。

Source: Waymo, The New York Times, Al Jazeera

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