この食材の名前は? 禁漁期間があります
旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■高級品
正解:伊勢えび
難易度:★★☆☆☆
祝いの席にも欠かせない
伊勢えびは、日本を代表する高級魚介類のひとつで、イセエビ科イセエビ属に属する甲殻類です。
体長は20〜30cmほどで、大きいものでは40cmを超える個体も存在し、最大で50cm近くになることもあります。
原産地は日本の太平洋沿岸で、とくに三重県、千葉県、静岡県、和歌山県などが主な産地です。

三重県では「県の魚」に指定されており、地元を代表する海の幸として親しまれています。志摩市では「伊勢えび祭り」が毎年6月に開催され、地元の人々や観光客に親しまれています。
また、「伊勢海老刺し網オーナー制度」など、観光と漁業を融合させた取り組みも行われており、伊勢えびを通じた地域活性化が進められています。
伊勢えびの名前の由来には諸説あり、伊勢地方で多く獲れたことから「伊勢海老」と呼ばれるようになったという説や、甲殻が武士の鎧(具足)に似ていることから「威勢のよい海老」となったという説もあります。
旬は地域によって異なりますが、一般的には10月から4月が漁期で、とくに11月から3月にかけてが食べ頃とされています。
これは産卵後の身が充実している時期で、甘みと弾力が増すためです。漁期外は資源保護のため禁漁となっており、三重県では5月から9月が禁漁期間となっています。
また、養殖は技術的に非常に難しいとされているため、一般的には天然ものしか流通していません。
ただし、三重県では、伊勢えびの持続可能な漁業を目指して、禁漁期間の設定や規定サイズ以下の個体の放流、人工飼育の研究などが行われています。昭和63年には世界で初めて卵から稚エビまでの人工飼育に成功し、現在では小規模ながら飼育技術が確立されています。
伊勢えびの魅力は、ぷりっとした弾力と上品な甘みにあります。
刺身にすると透き通るような身が美しく、口に入れると甘みが広がります。味噌汁では濃厚な旨味が溶け出し、伊勢えびならではの風味が楽しめます。直火焼きでは香ばしさと甘みが絶妙にからみ合い、贅沢な一品に仕上がります。


調理法も多彩で、刺身、味噌汁、焼き物、蒸し物、グラタン、テルミドール(洋風焼き料理)など、和洋問わず幅広く使われます。
とくに祝い事や正月のお節料理、結婚式の披露宴などでは欠かせない存在で、縁起物としても重宝されています。これは、長いヒゲと曲がった腰が老人を連想させることから、不老長寿の象徴とされているためです。

美味しい伊勢えびの見分け方
もっとも重要なのは、生きているかどうかです。活き伊勢えびは身が締まり、甘みや食感が際立つため、刺身などの生食に最適です。
尾をバタつかせたり、「ギーギー」と威嚇音を出すようなら活きは抜群!
また、甲羅が硬くてずっしり重いものを選びましょう。甲羅が柔らかいものは脱皮直後で、身が痩せている可能性があります。手に持ったときに重みを感じる個体は、身が詰まっていて食べ応えがあります。
頭部と胴体のすき間がないものも良品の証です。すき間があると「腰が抜けた」と言われ、鮮度が落ちている可能性があります。
サイズにも注意が必要で、20〜30cm程度の個体がもっとも味がよいとされます。大きすぎると大味になりやすく、小さすぎると身が少ないため、バランスのとれたサイズを選ぶのがポイントです。

【今月の旬食材は?】いま1年で最も旨い食材
伊勢えびの注目栄養素
注目すべきはタウリンの豊富さです。これは血圧の安定や心臓病予防、疲労回復、視力の維持などに役立つ成分で、伊勢えびにはとくに多く含まれています。
赤い色素にはアスタキサンチンが含まれており、これも強力な抗酸化物質です。血液をサラサラにし、発がん抑制にも効果があるとされているといわれています。

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