北海道帯広市の製菓メーカー、六花亭。その海外初進出店舗である南カリフォルニア店が9月13日にグランドオープン(オープンは9月10日)した。

六花亭、看板商品のマルセイバターサンドをはじめとした独自性の高い商品を展開し、道内外のファンからの人気も根強い。ただ、原則として店舗展開は北海道内に限定している。

日本各地では通販による商品の宅配で入手できたり、百貨店やスーパーの催事での商品の入手は可能であるものの、季節色の濃い商品を選んだり、ケーキや雑貨などを含めた幅広いラインアップを楽しめたりする道内の店舗を訪れる楽しさは、そこにはないと言っても過言ではない。

今回、初めての海外進出店舗を、南カリフォルニアに展開したと聞いて、より現地の状況を掘り下げるべく、日本から飛んだ。

ロサンゼルスから約100キロ 空港からバスを乗り継ぎ4時間

記者はカリフォルニア州の滞在経験があるが、店舗の位置を把握して、これは大変だなと感じた。

カリフォルニア州中心部のロサンゼルスから約70キロ、ランチョクカモンガに店舗がある。東京から70キロといえばだいたい埼玉県秩父市くらい。秩父には池袋から直通の特急があるが、ロサンゼルスからランチョクカモンガまで直通する公共交通機関がない。物好きな記者は敢えて公共交通機関を乗り継いで向かった。片道の乗車距離は100キロを超える。

ロサンゼルス国際空港を午前10時頃に出発し、トランジットセンター経由で、トラムなどを乗り継ぎ、ロサンゼルス中心部のユニオンステーションまで。ここまで所要時間は1.5時間くらい。ユニオンステーションまで直通の空港バスがあるが、渋滞があると所要時間が大きく伸びるのが玉に瑕であまり好みではない。

ユニオンステーションからは、フットヒルトランジットの運行するシルバーストリークという急行バスがあり、途中のモントクレアまで向かう。空港からこのモントクレアまで、TAPカード(ロサンゼルス広域圏の交通系ICカード)で2.25ドルと非常に安価だったのが嬉しいが、ここまでですでに2時間半ほどかかっており、疲れが隠せない。

モントクレアのトランジットセンターでランチョクカモンガへのバスに乗り換え(2ドル)。乗り継ぎ時間が30分ほどあったが、商店ひとつなく、景色を眺めるしかできなかった。都会や住宅街のイメージがあるロサンゼルスのイメージと比較すると、とんでもないところにきてしまったという印象だ。

モントクレアからランチョクカモンガまでバスで45分、バス停から、屋外型ショッピングモールであるビクトリアガーデンズの中などを歩いて15分ほど。

日本からの直行便があるロサンゼルス国際空港からはトータルで約4時間といったところだった。アメリカならではの公共交通機関の廉価性の恩恵で、合計で4.25ドル(日本円で600円程度)しかかかっていないのはありがたいところではあるが、なかなか時間的・体力的な難易度が高いアクセスである。

気になるラインナップ、今後のバリエーション展開に期待

カリフォルニア州の都市であるランチョクカモンガ、そのダウンタウンにある屋外型ショッピングモール、ビクトリアガーデンズに位置する。店舗は白を基調にしたシンプルさ。ただ、スタイリッシュ過ぎて、日本の北海道のお菓子が販売されていることを想起することは難しく、知る人ぞ知る店のような印象すら受けた。

看板商品のマルセイバターサンドをはじめ、店内には数種類の菓子や、六花亭のおなじみの柄の雑貨が並ぶ。北海道から輸送してくる関係か、まだ未入荷の商品が多いようだった。また、現地限定の商品もまだないようで、北海道の店舗に足繁く通う筆者としては見慣れたラインナップという印象を受けた。

カリフォルニアの温暖な気候のためか、マルセイバターサンドとホワイトチョコストロベリーは冷蔵で保管されている模様。注文・決済後、おなじみの六花亭の袋にいれて手渡してくれた。

マルセイバターサンドの価格は11ドル(諸税別)。日本の3倍ほどの値段であるが、カリフォルニア州の物価を考慮すると、そこまで高く感じない。輸送の関係上で、一両日中の消費を薦められた。

店舗を見渡すと、商品のディスプレイのほか、祝花が所狭しと並べられている。イートインのスペースはなく、テイクアウトのみの提供。レジ裏のバックヤードは、簡単な製菓などもできそうな広さのようだった。今後のラインナップ拡充も期待できそうだろうか。

車で訪れるならアクセス良好? ポテンシャルのあるランチョクカモンガ

六花亭のあるランチョクカモンガ、ロサンゼルスから車で訪れるのであれば、中心部から約1時間強で到達可能。車社会であるロサンゼルス都市圏からの集客は十分に期待できる場所である。

また、サンディエゴからラスベガス、ソルトレイクシティなど主要都市を結ぶインターステート(州間高速道路)15号線からのアクセスも良好で、周辺の道路の交通量は非常に多い。

ランチョクカモンガ自体の人口は10万人強、日本人もほとんど見かけなかったが、ターゲットは日本人に限らず、現地の人にアクセスすることが重要であるから、人でにぎわうショッピングモール内の出店によるポテンシャルは十分にあるのではないかと感じた。

将来的には、このランチョクカモンガから、ネバダ州ラスベガスへの高速鉄道も計画されているので、今よりはアクセスが便利になるかもしれない。

実際に現地に足を運んだ印象としては、想像よりも活気あふれるショッピングモールに進出したという印象をうけ、ポテンシャルにあふれる立地であると理解できた。日本人がこぞって来る土地ではないが、だからこそ現地に受け入れられるように挑戦していくという姿勢の顕れだろうか。そんな六花亭の挑戦から目が離せなさそうだ。