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ワールドワイドのベスト3は全てSUV

6月25日に発行された、『ボルボXC60が240を抜いて、歴代ベストセラーモデルに』というプレスリリースを見て、「ついに来たか」と感じた。

【画像】240を抜いてボルボのベストセラーモデルに!ビッグマイチェンを受けた新型XC60 全90枚

正直、240がベストセラーであるという認識はなかったが、今回で累計販売270万台を超えたXC60がボルボにおけるベストセラーモデルであることは聞いていたからだ。


240を抜いて、歴代ベストセラーモデルになったボルボXC60がビッグマイチェン。    平井大介

ワールドワイドの数字で言えば、2024年にXC60は23万853台を販売。これはXC40の17万3890台、XC90の10万8621台を上回り、ブランドトップの数字となる。

ちなみに、この3台がまさにベスト3で、それに続くのがEX30の9万8065台であるから、ボルボもすっかりSUV中心のブランドとなった。

一方、日本ではコンパクトなサイズが強く、2024年はXC40の3982台がトップ。XC60の2362台が続き、ここでエステート(ワゴン)のV60が1858台と健闘している。その後はEX30が1762台、XC90が1141台という順番だ。

XC60が属するDセグメントSUVは群雄割拠の状態で、メルセデス・ベンツGLC、BMW X3はそれぞれのブランドでベストセラーモデルになっている。レクサスもNXを擁し、これまた強力な存在だ。

2017〜2018年の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したXC60は、モデルライフ自体はかなり長くなってきたが、その間に何度かモデル改良を施している。今回取材したモデルも関係者が「中身は別物」と語るほど、大きなモデルチェンジとなった。

斜線が重なるデザインとなったフロントグリルが目印

簡単にモデルチェンジの内容を説明しよう。

今回日本仕様で用意されるのは3グレード。マイルドハイブリッドの『XC60プラスB5』(価格789万円)と『XC60ウルトラB5AWD』(同879万円)、そして『XC60ウルトラT6AWDプラグインハイブリッド』(同1029万円)となる。


取材車両はマイルドハイブリッドの『XC60ウルトラB5AWD』で、価格879万円。    平井大介

エクステリアでは、斜線が重なるデザインとなったフロントグリルが目印で、テールレンズもダークタイプに変更。これは先日行われたXC90のマイチェンと同様の意匠だ。取材車のオーロラシルバーと、マルベリーレッド、フォレストレイクという3種類の新色が用意されたのもトピック。

アルミホイールは全て刷新され、先ほど紹介したグレード順に18、19、20インチを設定する。

インテリアでは、9インチから11.2インチに大型化したセンターディスプレイが特徴。しかも従来から情報処理速度は2倍以上、グラフィック生成速度は10倍というから大幅な進化だ。XC90などでも見られたグーグルと連携したインターフェイスも採用されている。

また、大きなところではマイルドハイブリッドのB5エンジンがミラーサイクル化されたのもトピックだ。これにより燃費が、FFモデルで12.6→13.3km/L、AWDモデルで12.2→12.8km/L(いずれもWLCTモード)と約5%改善された。

なおこれで全てではなく、他にも吸音材の追加で静粛性が向上するなど、様々な改良が施されている。

古さを感じさせない

取材車はオーロラシルバーのXC60ウルトラB5AWD。オーロラを名乗るだけあり光の具合で印象が変わり、撮影した晴天時はシルバーというよりパープルに見えた。それにしても、基本フォルムは同じだというのに、前後デザインやホイールのアップデートにより古さを感じさせないから不思議だ。

これは室内のインターフェイス、さらに言えばドライブした印象も同様だった。


インテリアは、9インチから11.2インチに大型化したセンターディスプレイが特徴。    平井大介

新車だからなのか、SUVだからなのか、街中の路面の荒れたところで乗り心地に硬さを感じたものの、事前に受けた説明どおり室内は静か。おかげで、取材車に装着されたバウワース・アンド・ウィルキンスのステンレス製スピーカーからのサウンドも快適に聴こえてくる。

今回は静岡県三島市周辺の一般道、約40kmを走った。そこで感じたのは、やはりベストセラーだけのことはあり、使いやすいクルマであることだ。

全長4710mm、全幅1900mm、全高1660mmは今回のような地方都市で使用するサイズとしてはマックスと言えるが、アイポイントの高さや取り回しのよさで大きさを感じさせず、そして何よりボルボらしく、とにかくストレスが少なく快適なのだ。

それは目に優しいスカンジナビア・デザインや色使いも理由のひとつだろう。飛び道具はないかもしれないが、2017年のデビュー以来コツコツと重ねてきた改良で、熟成具合はかなりいい線をいってると思う。

そしてこうした外見は大きく変えず中身をよくしていく手法は、ボルボが長年得意としてきたことだ。かつてV70あたりで、『クラシック』と名付けられた最終モデルがベストバイと呼ばれたことを思い出す。

時間をかけて、まさにボルボらしいクルマとなったXC60。新車で手に入れるなら、まさに今が旬なのかもしれない。