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新しい年度が始まる4月、入学や入社、転勤など大きな環境の変化を迎える人も多いでしょう。中には、新しい環境に不安を覚えている方もいると思いますが、「よい人間関係」を築くにはどうすればいいのでしょうか。

サムスンやLGグループなどでコミュニケーションのプロとして講演を行ってきたキム・ボムジュン氏は、人間関係を決定づけるのは「話し方」だと言います。

そんな著者の「よい話し方」についての法則をまとめた、韓国で15万部突破のベストセラーが待望の日本上陸!今回はその内容から、「嫌われやすい人の話し方の特徴3つ」をお届けします。(初公開日は2023年4月14日 記事は取材時の状況)
(※本記事は『「また会いたい」と思われる人は話し方が違う』より抜粋)

◆1.「ほかに答えようがない」話し方

「ほかに答えようがない」話し方は年寄りくさい。

ほかに答えようがない、「答えは決まってるんだから、君はそれを言えばいいだけだ」という話し方。

たとえば、「私、女優のキム・テヒ(訳注:美人で有名な韓国の国民的女優)の顔ってそんなに好きじゃないんだけど、今日キム・テヒに似てるって言われたの。あなたもそう思う?」という質問だ。

そう言われたら、「うん、たしかに似てるね」と言わざるを得なくなる。

うれしい気持ちを全力で隠しながら、「あなたも早く私に『キム・テヒに似てる』って言って」と返事を誘導するような「ほかに答えようがない」話し方の典型的な例だ。これでは一方的な会話で終わってしまう。

相手に圧力をかけ、相手の本音を聞こうとしないために、互いの関係を発展させることは難しくなる。では、職場ではどうだろう?

◆職場での横暴な上司の話し方も…

広告代理店で働く女性の話だ。パクさんのチームには、彼女以外にチーム長と課長と主任と、さらに新入社員が一人いる。

パクさんは毎月、チームで行なわれる食事会の場所を決めなければならず、それが大変だという。ある日の会議の終わり際、チーム長が彼女に食事会をセッティングするよう言ってきた。

「月に一度、みんなで食事会をしないか。最近、食事をしながらライブや芝居を見るのが流行っているらしい。われわれもやってみないか。みんな、いいよな?」

店選びに任命されたパクさんは、数日店を探しまわった結果、演劇やミュージカル、ジャズのライブを見ながら食事を楽しめそうな店を三つ提案し、チーム長に相談した。するとチーム長は首をかしげて、こう答えた。

「今は社内の雰囲気的に演劇やミュージカルって感じでもないし……うーん、値段もちょっと高いね。有名な作品じゃないからあまり面白そうでもないし。ジャズ? 私はジャズはさっぱりわからないな」

そして、結局こう言ったのだ。
「まあ、難しいね。どこか近場でサムギョプサルでも食べながら焼酎飲もうか? やっぱり思いっきりお酒飲めたほうが楽しいよな。二次会はカラオケに行って、ストレスを発散しよう!」

◆2.意見を無視する話し方

その言葉に、パクさんは腹が立った。だったら最初からチーム長が自分で決めればよかったじゃないか、なんで時間を無駄にさせるのか理解できない……。そんな気持ちになった。

しかもこれは、一度や二度ではないという。毎回、チーム内で相談して決めたことに口は出さないと言いながら、やっぱり最後には口を挟んでくる横暴な上司へのストレスで、パクさんは円形脱毛症になってしまった。

目上の人や権力のある人たちが、その立場を利用してすべてを自分の思いどおりに推し進めたら、年寄りのイヤなイメージだけが残るだけだ。

特に、意見を言わせておきながら一方的にその意見を無視するような言い方は、相手の成長を妨げる要因にもなるし、人間関係を発展させることもできなくしてしまう。