本物の外科医が語る心臓移植の厳しい現実とその舞台裏

本物の外科医である北原氏が、「心臓移植用の心臓を本物の外科医が取りに行ってみた」と題した動画で、心臓移植の裏側について語りました。午後1時半に心臓移植に相応しい心臓が見つかったとの連絡を受け、夜の10時半に迎えに行く段取りを取ることに決まったと言います。「心臓を取りに行くことになったんだ。夜中に。シンゾー（飼ってる猫）も泣いちゃうよ」と家族に報告する姿が印象的でした。

アメリカと日本での心臓移植数の違いにも触れ、アメリカでは年間4000件、日本ではわずか100件と比較。その背景には、医療制度の違いやドナー数の差異があると考えられます。北原氏の勤めるシカゴ大学病院では、年間約60件から70件の心臓移植を行っており、「まるで日本全国と同じ数を一つの病院でやっている感覚です」と述べました。

心臓を取りに行く際の移動時間の重要性も強調。心臓を取り出した瞬間から鮮度が落ち始めるため、飛行機や専用車を使って最短で戻るよう手配したと説明しています。「自分の病院で移植できたら一番早いんじゃないの？」とよく質問を受けることに対しても、脳死患者を移動させるのは費用や安全面で大変であることから、地元の病院に心臓を取りに行く形になると解説しました。

心臓を摘出する際の視点についても「他のチームと事前にしっかり話し合い、お互い納得して進めることが重要」と述べ、心臓チームと肝臓チームとの間での陣取り合戦の実情を紹介しました。

動画の締め部分では、心臓を無事に取り終え、シカゴに戻り心臓を手術室に届けたところで「本日の心臓移植用の心臓を取りに行く1日は終了です」と一日を振り返り、無事終えた安堵を感じさせるものでした。