元キー局アナの私が早めに“年齢非公表”にしたい切実な理由。「実年齢を伝えた途端…」

TBS退社から8年経った今年、紆余曲折を経て20年生活した東京を後にして活動拠点を故郷北海道に戻したアンヌさん。アラフォーにして再スタートを切った「出戻り先」でのシングルライフの様子や心境をつづる連載です。
第19回となる本記事では、「人はなぜ若く見られると嬉しいのか」について綴った前回に引き続き「見た目と年齢」というテーマを深掘りしていきます(以下、アンヌさんの寄稿)。
◆図書館で100人近い予約が入っていた書籍
その後、話題の本を無事購入し読了しました。
見た目は老化予防や寿命にかなり影響しており、いつまでもチャレンジを続け意欲的に生きていれば、見た目年齢もある程度若く保つことができるだろうと。
おしゃれをすることや、適切な栄養摂取も大事であり、実は知性も見た目問題には非常に重要な影響を及ぼすのだ……など、ぜひ皆様にもお読みいただきたいのですが、特に印象的だった箇所を紹介させていただきます。
◆年齢バイアスは確かに存在する
人気脚本家の中園ミホさんが、新聞の悩み相談の回答で、このようなことを書いていたといいます。以下は引用です。
「50代のころ、男性の仕事仲間から『中園さん、もう年齢を正直に言っちゃダメですよ。ガッカリされるから』と忠告され、すごく腹が立ちました。半世紀以上、一生懸命生きてきたのに、その年月を隠せっておかしいじゃないですか。実年齢を聞いてドン引きしたり、場を立ったりするような人とは付き合わなくていいのではないでしょうか」(日本経済新聞、なやみのとびら、21年7月8日)。
不思議な数字マジックといいますか、現実問題、この年齢バイアス及びステレオタイプ、存在すると私も感じます。と言いますのも、私はラジオの人生相談コーナーを聴くのが結構好きでして。
相談電話で非常に若々しいお声の女性が出られた際、だいたい45歳位かな?などと脳内で瞬時に相談者の容姿を勝手に想像するのですが、予想に反して、例えば60代後半だと分かった途端、脳内でその方の「見た目イメージ」が一気に変わる瞬間があります。
これは私自身、非常に反省すべき点なのですが、皆様、その年齢に則した勝手な外見イメージ、自分の中に確立されていませんか? 本当に不思議ですが、40歳女性ならこんな感じ、70歳男性なら……と、髪の色から背格好、服の雰囲気まで、そのステレオタイプが漠然とでき上がってしまっているのです。
◆年齢という数字の“呪縛”
私は今年40歳になりますが、この「40」、最強の「不惑」感、大人感を孕(はら)んでいませんか。見た目が35歳くらいにひと様からは見えていたとしても、実年齢を伝えた途端、その数字イメージが一人歩きをはじめる感覚があります。「意外と年齢いっているんだね!」みたいな。
この「年齢、数字にこだわる文化」と言うのは日本、特にもしかしたら東アジア文化圏に多いのではないかとも感じます。例えば、アメリカのテレビ報道を参照してみた際、ある歌手がトランプ大統領の就任式で歌を披露するというニュースの際、わざわざかっこ付けで彼女の年齢を伝えることはしないでしょう。これが日本でしたら、読み上げないにしても、名前の横に(〇〇歳)の表記が文字スーパーでつけられることが時折ある気がします。