初めて公開されている八田與一手書きの「工事説明書」(国立台湾歴史博物館提供)

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(台南中央社)日本統治時代に水利施設の建設などに尽力した八田與一が直筆で書いた南部の大規模かんがい施設「嘉南大圳」の「工事説明書」が、24日から南部・台南市の国立台湾歴史博物館で始まった水利事業に関する特別展で初公開されている。

嘉南大圳がある嘉南平原は夏に雨が降るものの、冬は日照りが続き、かつて農民らは干ばつと洪水被害との闘いを強いられた。だが、八田が手掛けた嘉南大圳と烏山頭ダム(台南市)の完成により、農作物の増産に成功。台湾農業の命綱となった。

「官佃渓埤圳工事説明書」と題された説明書は、2020年に発見された。同館によると、八田と工事チームがいかに科学的調査とデータを利用して地形や雨量などの自然条件を把握し、環境特性を生かして全長約1万5600キロ、15万ヘクタールに水を供給する嘉南大圳を完成させたかを明らかにしているという。

同館は、特別展を通じて台湾の水利社会の発展の様子と水利事業に携わった人々への認識を深められる他、工事と環境の関係などを理解できるとして来訪を呼びかけた。来年6月30日まで。

(張栄祥/編集:齊藤啓介)