広島戦でJ1デビューを果たした植中。写真:滝川敏之

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「ゴールを決めたかったですけど、自分の特長を出せたので、自信にもなる試合だった」
 
 6月24日のJ1第18節でサンフレッチェ広島に1−0で勝利し、首位を堅持した横浜F・マリノス。チームの連勝を5に伸ばしたこの一戦で、J1デビューを果たしたFW植中朝日は、その3日後のトレーニング後に改めてそう振り返った。

 JFAアカデミー福島U-18から2020年にJ2のV・ファーレン長崎に加入し、今季から横浜でプレーする植中は、これまでルヴァンカップや天皇杯では出場機会を得るも、J1リーグではなかなか出番が回ってこない状況が続いていた。

 そうしたなかでようやく掴んだチャンス。61分にFWアンデルソン・ロペスとの交代でトップの位置に入ると、その悔しさを思い切りぶつけるかのようにピッチで躍動した。

 74分には、右ウイングの水沼宏太からのクロスを左足で合わせてネットを揺らすが、惜しくもオフサイドの判定。ゴールは奪えなかったが、「自分の得意なプレーでもあるので、自信を持ってやり続けたい」と手応えも掴んだようだ。
 
「(横浜には)良い選手がたくさんいて、自分が使ってもらえないのは分かっていた」という植中だが、横浜に加入した当初は、トレーニングの強度の高さに、「J2でもある程度やれていたという自信を一気に砕かれた」。

 それでも、「自分がどうやったら試合に出られるか」を考えながら、日々のトレーニングからアピールを続けた。

 また、スタンドから試合を眺める時間が多いなか、「喜田(拓也)選手が出ていない時、試合を観ながら守備の制限のかけ方などのアドバイスをもらっていたので、コミュニケーションを取って戦術の理解を深められた。松原(健)選手からも、『ここにフォワードがいてくれると助かる』とか、そういう話を聞いていた」。不断の努力も広島戦に繋がったと明かしてくれた。

「自分から聞かなくても松原選手から言ってくれたりする。そういうのもマリノスの強さなのかな。(試合に)絡んでいない自分にもそういうことを言ってくれていたので、良いチームだと改めて思います」

「最初は(チームに)ついて行けるか、ベンチに入れるか、不安しかなかったですけど、最近は自分の色を出せるようになってきた。ここからです!」と意気込む植中。今後の活躍に期待したい。
 
取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)

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