歴代日本代表監督がもたらした新しい「サッカー用語」

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日本代表の歴史を紐解くと、その時々の指揮官によってもたらされた新しい言葉があった。

今回は、そんな5つの言葉をご紹介したい。

加茂 周 「ゾーンプレス」

1990年代に横浜フリューゲルスや日本代表を率いた加茂周氏。

加茂氏といえば、1998年ワールドカップ予選の途中に解任されてしまった指揮官という印象が強いが、一方で当時世界の最先端だった「ゾーンプレス」という戦術を日本に広めた人物でもある。

この戦術はもともとオランダで生まれ、その後1980年代にACミランを率いたアリーゴ・サッキ、ファビオ・カペッロに受け継がれて世界のサッカーに大きな影響を与えた。

加茂氏もその一人であり、フリューゲルス時代から実践していたこの戦術が日本代表を率いた時代にクローズアップされた。

フィリップ・トルシエ 「フラットスリー」

その強烈な個性により日本人に強く記憶されているフランス人のフィリップ・トルシエ氏。彼は、日本人が世界と戦うには3バックが必要であると説いた。

通常3バックは中央の選手がリベロorスイーパーとして深い位置をとるが、トルシエ氏の「フラットスリー」では3人のDFが横一線=フラットに並ぶものだった。

中盤を厚くし、高い位置でプレスをかけることでラインを押し上げ、全体をコンパクトに保つ。3バックとしては珍しくオフサイドトラップも多用した。

このシステムでは松田直樹、宮本恒靖、森岡隆三らが重用された他、本来はMFである中田浩二らもDFとして起用されている。

イビチャ・オシム 「ポリバレント」

オシム語録と呼ばれる数々の名言で、日本サッカー界に新しい風を吹き込んだオシム氏。

「水を運ぶ(人)」という言葉も印象深かったが、臨機応変なサッカーを志向していた彼がたびたび口にし浸透した単語といえば「ポリバレント」だろう。

ポリバレント=Polyvalentは化学の分野で使用される用語だ。サッカーで用いるなら“多目的”のような感じで、ユーティリティのやや上位互換的な意味合いを持っている。

このポリバレントを象徴する選手としてオシムが高く評価していたのが、阿部勇樹や今野泰幸らである。

アルベルト・ザッケローニ 「インテンシティ」

ザッケローニ時代の日本代表はアジアカップ制覇に敵地でフランス代表を撃破と、2014年本大会こそ惨敗に終わったものの近年では最も魅力的で強いチームを作り上げた。

そんな彼が指揮する時代に広まったのが「インテンシティ」。英語で「強さ」や「激しさ」などを意味し、「強度」などとも訳される言葉である。

今では一般的となったが、ザックは日本が世界と戦ううえで強度を高める必要があることを訴え繰り返したことで浸透した(正確にはイタリア語の「インテンシタ(intensita)」を用いていた)。

ヴァイッド・ハリルホジッチ 「デュエル」

ハリルホジッチ氏が日本代表の監督を務めた時代は、その独特な表現を用いた“独演会”といえる記者会見が話題の的に。デュエルはその中で多用された言葉だ。

英語における「デュエル」は「決闘」、「生死をかけた勝負」などと翻訳されるもの。旧ユーゴスラビア出身で闘争心の塊だったハリルらしい言葉だが、ザッケローニ氏が使ったインテンシティに近いものがある。

ただインテンシティよりさらに一つ上のカテゴリのようなニュアンスであるようだ。

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当時の霜田技術委員長は、「デュエルはルーズボールの競り合いだけでなく、1対1のボールの奪い合い、相手のボールを奪う、マイボールに相手が激しく来ても取られないフィジカルコンタクトの強さ」だと説明している。

ブンデスリーガのデュエルランキングで遠藤航が上位になることはしばしば語られているがタックルで勝った、ボールを奪っただけでなく攻守両方に関するものだということは知っておきたい。