不動産仲介がDXでこれだけ変わる! 住友不動産販売が進める新・仲介戦略
住友不動産販売と取引のある宅建業者にとっては、これまでの支店から来ていたものとは違う、大量の情報と接することになる。「基本的には、新しい仕組みに対する反応はいい。我々の情報量は全国的にも最大級。その情報が一気に送られるため、宅建業者さんの中には、当社向けの専用窓口をつくりたいという声もある」と青木氏。
現在も、宅建業者が求めるスペックの物件情報を送る仕様になっているが、今後さらにニーズを絞り込み、細分化した情報提供も必要になる可能性がある。
支店の営業担当者の働き方も当然変わっていくだろう。前述のように、今までの支店の営業担当は、宅建業者とのやり取りの時間が長かったが「営業担当者も、それが当たり前だと思っていた」(青木氏)。その時間を今後は個人の売り主、買い主に振り向け、満足度を向上させることを目指す。
青木氏は「個人営業がしっかりできなければ、我々に未来はない」という危機感を持つ。「個人のお客様同士を結びつけるのが我々の本来の仕事。原点回帰が必要」と社内に訴えてきた。
また、不動産業界はDXが遅れている業界だと言われている。前述の通り、特に中小不動産会社では今も電話、FAXが主流。さらに不動産の性質上、1つとして同じ物件はないため、個別対応が必要なことも要因。「『昭和』が続いているというか、旧態依然な面がある。我々もこれまでは年間4万件近くの取引を、全て人力でこなしてきた」と青木氏も言う。
ベンチャーでDXに取り組むところもあるが、途中で頓挫したり、業界全体の動きになっていない現状の中で、住友不動産、住友不動産販売という大手が、業界に一石を投じた意味は大きい。業界の他社も今回の取り組みを注視しており、成果が出るとなれば追随する可能性もある。「人」が長年培ったノウハウとテクノロジーを融合させられるかが問われる。
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