宇宙から送られてきた謎の信号「Wow!シグナル」は1977年の検知から2020年にいたるまで、まだその発信源か何か特定されておらず、「地球外生命体によって送信されたのではないか」とも考えられています。さまざまな説が飛び交うWow!シグナルですが、新たに、アマチュア天文家が新説を唱えています。

[2011.06090] An approximation to determine the source of the WOW! Signal

https://arxiv.org/abs/2011.06090



Amateur astronomer Alberto Caballero finds possible source of Wow! signal

https://phys.org/news/2020-11-amateur-astronomer-alberto-caballero-source.html

1977年、地球外知的生命体探査(SETI)に参加していたジェリー・エーマン博士は、ビッグイヤー電波望遠鏡で、約72秒にわたる強い電波を受信することに成功しました。この信号は地球対生命体が宇宙から発したものではないかとSETIのプロジェクト参加者は考え、エーマン博士が信号強度を示す紙に「Wow!」と書き残したことからWow!シグナルとして世界中の科学者やSFファンの間で知られることになりました。

地球外生命体からの謎の信号と疑われる「Wow!シグナル」の正体がついに判明か? - GIGAZINE



このWow!シグナルは長い間謎の信号としてその正体が明らかになることはありませんでしたが、2016年にサントペテルブルク大学のアントニオ・パリ教授は「Wow!シグナルは266P Christensenと335P Gibbsという2つの彗星がビッグイヤー電波望遠鏡を横切る際に生じた信号だ」と仮説を発表しました。パリス教授は2017年にWow!シグナルは彗星によるものだと論文で結論付けましたが、これについては他の科学者から「論文は情報が不足している」「信号が検出されたとき、彗星は望遠鏡の観測範囲に存在しなかった」と反論や批判が多く上がっています。

HYDROGEN LINE OBSERVATIONS OF COMETARY SPECTRA AT 1420 MHZ

(PDFファイル)http://planetary-science.org/wp-content/uploads/2017/06/Paris_WAS_103_02.pdf



つまり、Wow!シグナルの正体については、2020年時点においてもまだ結論がでていません。そんな中、アマチュア天文家でありYouTubeチャンネル「The Exoplanets Channel」の創設者であるアルベルト・カバレロ氏は、欧州宇宙機関(ESA)が公開する天文観測機Gaiaの観測データベースから、Wow!シグナルの発信源となるものを調査した結果を発表しました。

カバレロ氏はまず、生命が存在する可能性が高い場所は、太陽系外惑星のうち、地球のように「太陽のような星を周回する惑星」だと仮説を立てました。この仮説のもとにカバレロ氏がGaiaのデータベースを調査したとのこと。

GaiaのデータベースはESAによって2013年に開設され、これまでに約13億個の星のマッピングに成功しています。検索の結果、Wow!シグナルの発生場所の近くに存在する「太陽の代わりとなる星」として、「2MASS 19281982-2640123」という星が該当することを発見しました。

カバレロ氏は「ほかにも候補となる星はあるが、太陽系外惑星を調査する新しい研究の第一歩を、2MASS 19281982-2640123から始められると思います」とコメントしています。一方で、カバレロ氏が論文を発表しているのは未査読の論文を公開するデータベースarXivであり、「単なる臆測にすぎない」と指摘する声も上がっています。