外出自粛や休校長期化で10代の妊娠相談が相次ぎ寄せられている(miya227/stock.adobe.com)

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 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う休校の長期化や外出自粛に伴い、10代の性被害や望まぬ妊娠への懸念が高まっている。支援団体や窓口の中には濃厚接触を避けるため、面談等の業務をやむなく縮小したり、人手不足に陥ったりするところもあり、支援者らは「このままではセーフティーネットがなくなる」と訴える。

【写真】24時間365日、女性の相談を受け付けている「小さないのちのドア」

■バイトできずパパ活? 家に居づらく「彼氏の家に」

 神戸市北区の「小さないのちのドア」が24時間365日行っている相談窓口には、2月末以降、特に10代の女性から「妊娠したかもしれない」という電話やメール、LINEが相次いで寄せられている。当初は土日が中心だったが最近では毎日数件はあり、既に妊娠検査薬で陽性反応が出ている子もいるという。

 詳しく話を聞くと、休校や外出自粛で「恋人や友人の家にずっと入り浸っていた」という例や、「相手はかなり年上」「初めて会った人で、その後連絡がつかない」という内容も増えてきたといい、「飲食店等のバイトがなくなり、パパ活や援交などに手を出している子も少なくないと感じる」と相談に乗る助産師ら。一方で、感染拡大への不安が高まる中、面談をキャンセルする人もおり「目に見えないところで事態が深刻化していきかねない」と危機感を募らせる。

■閉じた家庭内、言葉の暴力から「目に見える虐待」へ

 虐待や貧困、いじめなど困難を抱えた子どもへの支援や啓発活動を続ける認定NPO法人「3keys」(東京都)が運営する10代向け相談支援サービス検索サイト「Mex(ミークス)」には、感染拡大の懸念が高まり始めた2月以降、「親からの暴言が酷く、暴力も振るわれる。親が怒鳴るから常におびえてしまうし、食欲もない。リストカットもしてしまう」「最近一緒に暮らし始めた義母とうまくいかず、精神疾患に。自立するまでまだまだ一緒に暮らさなければならない」「親からの虐待に耐え続け、言われたこともしているはずなのに、食べもせずご飯を捨てて作り直しと、毎日のように言われるのが辛い」等の声が寄せられている。

 代表理事の森山誉恵さんは「今までより、身体的虐待や面前DV、激しい暴言などの相談が増えている印象がある。親の失業を始めとした経済的ダメージや、密室で一緒にいることによるストレスなどで、子ども自身も『虐待だ』と気付くような身体的暴力や性的虐待などが増加する可能性が高い」と指摘。

■行き場を失う子ども、ボランティア頼みの支援もパンクの恐れ

 さらに外出自粛や施設の臨時休業などで子どもの居場所もなくなる中、「虐待や親子間の不和で家に居たくない子どもたちは、友達や恋人の家、カラオケ等の大人の目に付きづらい密室に逃げがち」とも。「元々長期休暇中は性関連の相談が増えますが、ここ最近は特に、児童買春等の犯罪被害やデートDV等の性暴力、望まぬ妊娠につながってしまう緊張感が高まっている」と警鐘を鳴らす。

 現在、ミークスには悩みや被害を相談できる全国の支援機関が200ほど掲載されているが、公的機関を中心に「つながりにくさ」が課題に。さらに半数を首都圏の団体が占め、他の地域は8〜28カ所(今年2月時点)と少なく、民間団体の多くは寄付金やボランティア頼みの運営を余儀なくされているという。「今後、緊急事態宣言が全国に広がれば、支援がパンクしかねない」と森山さん。「こんな時だからこそ、SOSを見逃さないよう、国も行政も、子どもに目を向けてほしい」と訴える。

 3keysでは支援の偏在解消を目指すクラウドファンディングも実施中。5月22日午後11時まで。

 小さないのちのドア:電話078-743-2403 LINEのID→inochi-door.mana メールアドレス→inochi@door.or.jp 

(まいどなニュース・広畑 千春)