スマホではなくコミュニケーター。QWERTYキーボード搭載端末「Cosmo Communicator」が日本上陸:山根博士のスマホよもやま話
8月22日、国内代理店となる株式会社リンクスインターナショナルは、イギリスPlanet ComputersのQWETYキーボード搭載スマートフォン「Cosmo Communicator」を日本で販売するとアナウンスしました。タッチタイピングもできる本格的なキーボードを搭載したスマートフォンとしては現時点で唯一の存在と言える製品です。

キーボード搭載スマートフォンといえばブラックベリーが代名詞として挙げられますが、ブラックベリーはもともとメッセンジャーから発展した製品であるだけに、両手で本体を保持して親指でキーボード入力するのが一般的な使い方です。

一方、Cosmo Communicatorは90年代にPDAとしてあの「Palm」のライバル的な存在だったイギリス「PSION」(サイオン)のDNAを引き継ぐ製品。スモールコンピューターとしても使えるよう、机の上に置いて人差し指で高速な文字入力をすることも可能なデバイスです。そもそもPlanet Computersは元PSIONの関係者が立ち上げた企業で、PSIONを今の時代に復活させた製品として「Gemini PDA」を2018年に発売しています。



Gemini PDAは「PDA」と名の付くように、超小型のパーソナルデジタルアシスタントとしてリリースされました。その後継機となるCosmo Communicatorは「コミュニケーター」の名の通り、コミュニケーションデバイスとしての機能が強化されています。どちらも5.99インチFHD+のディスプレイやキーボードのサイズは同等。しかしCosmo Communicatorではたとえば以下の点が強化されています。
天板に1.91インチディスプレイ(タッチ対応)を搭載、閉じたままの通話が可能天板に2400万画素カメラを搭載天板に指紋認証センサーを装備キーボードにバックライト内蔵


つまり閉じた状態でもコミュニケーションツールとして動作するようになっているのです。これはノキアの往年の名機、Communicatorシリーズでもできていた「閉じて通話やSMS、開いてQWERTYキーボード入力」と同じ。Cosmo Communicatorはそのノキアの後継機という意味も込めて、Communicatorという名前が付けられたと思われます。

またバックライトが付いたキーボードは暗いところでも快適な文字入力が可能でしょう。筆者もノキアのCommunicatorを古い時代に使っていましたが、閉じても開いても使える「コミュニケーター」は公私で手放せない存在でした。



Cosmo Communicatorはクラウドファンディングで資金調達を行い日本にも出荷される予定でしたが、正式に日本の代理店から販売されることになります。スタートアップ企業によるキーボード端末というニッチな製品ですが、初代のGemini PDAはなんと日本市場での販売数が本国のイギリスを上回り世界で一番だったそうです。



そのためCosmo CommunicatorではLTEの対応バンドに日本向けを追加するなど、日本のユーザーが使いやすい製品になっています。ちなみに日本の販売代理店販売品は日本語キーボードのみの取り扱いとなります。

また、DSDV対応で2枚のSIMカードが使えますが、eSIMも内蔵しています。SIMの組み合わせは
SIM1 + SIM2SIM1 + eSIM
のどちらかになります。


主なスペックは、SoCがMediaTekのHelio P70、メモリ容量が6GB、ストレージ容量が128GB。カメラは背面(天板面)が2400万画素、内部(ディスプレイ面)が500万画素となります。外部接続端子は左右にUSB Type-Cを1つずつ備え、片側はMediaTekの急速充電「Pump Express」に対応。さらに3.5mmヘッドフォン端子も装備します。バッテリー容量は4220mAh。

対応するLTE周波数バンドはB1, 2, 3, 4, 5, 7, 8 , 11, 18, 19, 26, 28, 41, 71、W-CDMAがB1, 2, 5, 8。サイズ171×79.3×17.3mm、重量326gで、ポケットにも入る大きさです。



重みはあるもののモバイル製品とは思えぬ押しやすいキーボードで、打鍵は心地よく、ついつい長文を打ちたくなるほど。キートップの形はThinkPadなどが採用するスロープ形状と同等で、これも実はPSION時代のキーボードの再来なのです。



マニアックな機能としては、Android OS以外にSailfishOSあるいはLinuxのDebianまたはKaliをインストール可能。4つのOSに対応し開発環境向けの端末としても利用できます。



またディスプレイ部分を開くとヒンジ部分が外側に開き、机の上に置くとキーボードに傾斜をつけるスタンドとなります。この細かいギミックはPSIONのPDAが「せり出すキーボード」などを採用しており、Cosmo CommunicatorがPSIONの精神を引きついだ端末であることを証明しているわけです。



気になる価格は10万円前後の予定。9月末頃発売予定とのこと。初代Gemini PDAも日本向けの日本語キーボードモデルがあったものの、海外から輸入する必要がありました。日本版となるCosmo Communicatorは代理店によるアフターサービスが受けられる安心感もあります。

GPD Pocketなどの超小型ノートPCはPC寄りの製品でしたが、Cosmo Communicatorはスマートフォン側の製品としてLTEによる常時接続が可能、また高画質なカメラを搭載しています。キーボード端末好きには悩ましい製品がまた1つ増えたことになりますね。