男子シングルス2回戦で対戦したニック・キリオス(左)とラファエル・ナダル【写真:Getty Images】

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キリオスが故意にボディショット、ナダルはラケットでかわすも苦言

 テニスの4大大会第3戦、ウィンブルドンは4日、男子シングルス2回戦で世界ランク2位のラファエル・ナダル(スペイン)が6-3、3-6、7-6、7-6で同43位ニック・キリオス(オーストラリア)を撃破。3回戦に駒を進めた。ナダルの前に屈したキリオスは、アンダーサーブを繰り出したことでも物議を醸していたが、更にナダルを狙ったボディショットを放っていたことも明らかに。“悪童”は「謝るつもりはまったくない」ときっぱり。ナダルからは「こんな風に打つと、観客にとっても危険だ」と再び苦言を呈されている。

 問題のシーンは第3セットの第8ゲームだ。フラストレーションをためていたキリオスは強烈なフォアを、ナダルにボディめがけて放った。ナダルはラケットで防いだが、キリオスを睨みつけ、険悪な雰囲気になった。

 ボディを狙うこと自体はルール上は問題ない。しかし、試合後のキリオスの発言が問題を拡大させてしまった。ヤフースポーツ、オーストラリア版が「『彼に当てたかった』:キリオスとナダルの戦いが勃発」の見出しで伝えている。

 記事では、キリオスはナダルを狙っていたことを認めたが、謝罪は拒否したと伝えている。そして、オーストラリアの24歳のコメントを紹介している。

「なぜ謝るんだ? 彼には当てていない。ラケットに当たった。なぜ謝るんだ?」と繰り返し、さらには「グランドスラムで何度優勝し、銀行口座にはいくら入っているんだ?」と続けた。

 長きにわたってトップに君臨するナダルへの当てつけの意味も込められていたのか。「彼なら胸でボールを受け止めることもできると思う。謝るつもりはまったくない」「当てるつもりだった。まっすぐ胸に当てたかった」と重ねており、悪びれる様子は全くなかったようだ。

マナーを欠く上に危険なプレー「僕にとってではなく、線審や観客にとってね」

 一方のナダルは大人の対応だった。

「こんな風に打つと、危険だ。僕にとってではなく、線審や観客にとってね」と周囲へ及ぼす危険を念頭に置きつつ、「こんな風に打てば、どこへボールが行くかわからない」と苦言を呈した。

 その上で「彼は非常に才能ある選手だが、僕もプロの選手だ。今回のように打てば、ボールはどこへでも行ってしまう」と続けている。

 ボディショットは、紳士のスポーツと言われるテニスで、ルール上は許されても、決して褒められる行為ではない。大きなアクシデントに繋がることはなかったが、ナダルが猛省を促すのも当然のことだろう。(THE ANSWER編集部)