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外国籍を取得したら、日本国籍を失うとする国籍法のルールは違憲だとして、スイス在住の男性ら計8人が、国を相手取り、日本国籍を有することの確認などをもとめた訴訟。その第1回口頭弁論が7月5日、東京地裁で開かれ、原告側の意見陳述がおこなわれた。

原告の1人で、スイス在住の白石由貴さん(33)は10代のころ、日本国籍を失って、公式な名前は「Yuki Shiraishi」となった。意見陳述で「私の名前には『自由で貴い心を持った人になるよう』という両親の思いがこめらえている」「アルファベットでは先祖とのつながりや、親の思いを表現したことにならない」などとうったえた。

この日の弁論後、原告2人と代理人弁護士は、東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開いた。白石さんは「国を相手に訴訟するのは思いもよらなかった」「ご先祖さま、親戚のことを思うと、感情が湧いてきて、泣いてしまった。すこしでも日本社会に貢献できたらと思っている」と語った。

訴状などによると、原告は、白石さんを含めて、スイス在住者ら8人。国籍法11条1項が「外国移住の自由」や「国籍離脱の自由」「幸福追求権」などを保障する憲法に反すると争っている。原告代理人によると、国側は(1)複数国籍を認めてしまうと弊害が生じるおそれがある。(2)複数国籍の国民をみとめてしまうと主権国家の本質に反する――と反論している。

(弁護士ドットコムニュース)