iPhone Xのノッチディスプレイ風が流行している真意とは? ASUSなど各社が採用するメリットはあるのか

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2017年9月のiPhone Xの発表は、多くの人が驚いた。画面上部中央に大きな切り欠きが目立つ、ノッチ付きとなったからだ。

ノッチの左右部分はアンテナ強度や時刻などの通知表示領域とすることで、画面全体を有効的に活用することができる。しかし、ノッチの部分はメイン画面の表示には利用できない。
映画などをフルスクリーンで表示すると、ノッチの部分が切れて表示されてしまう。このため、画面が切れて表示されることに違和感を覚える消費者も多い。こうした消費者はiPhone Xではなく、iPhone 8やiPhone 8 Plusを購入しているという話も聞く。

このように好みがわかれるディスプレイのノッチだが、世界のスマートフォン市場ではあえて採用するメーカーが増えている。
たとえば、日本でもSIMフリースマートフォンを販売するASUSが2月に発表したZenFone 5は、一見するとiPhone Xと思えるようなノッチを持ったディスプレイを採用している。


ノッチの付いたディスプレイを採用したZenFone 5


ZenFone 5のディスプレイは縦横の比率が19:9となり、従来の16:9や、2017年後半から流行りとなった18:9よりもさらに縦長だ。前面がほぼ全画面になるものの、ノッチ部分があるため画像などを表示すると切り欠きが気になる。
ASUSによるとZenFone 5のノッチ部分はiPhone Xよりも幅が狭く、画面はそれほど見にくくはないという。

しかしZenFone 5はディスプレイの下部にデッドスペースがあり、この部分をディスプレイ領域にできれば、ノッチの無い19:9のディスプレイを採用できるはずだ。
ノッチをつけたのは必然性というよりも、iPhone Xぽく見せたかったのではないかと勘ぐってしまう人も多いだろう。
ASUSはノッチディスプレイを採用する前に、本体設計の見直しをすべきとも思えてしまう。

一方、フランスブランドのWikoもノッチ付きディスプレイのVIEW 2を発表した。
現在、日本で販売しているVIEWの後継機だ。VIEW 2のディスプレイはiPhone Xとは異なり、シャープのAQUOS R compactに似た円形のノッチを採用している。
円形ノッチは、左右の幅を狭くできる反面、上下の幅が広めとなってしまう。そのためZenFone 5同様に、動画や写真を表示するとノッチ部分が目立ってしまう。


Wikoはシャープと似たディスプレイを採用


このようにノッチ付きのディスプレイは、メリットよりもデメリットが目立つようにも思える。それでも新興メーカーを中心に、ノッチディスプレイは続々と採用が進んでいる。

それらの機種を一つ一つ見ていると、iPhone Xのディスプレイが特殊なものではなく、ごくごく普通のものに見えてくるから不思議だ。
最初はマイナーに感じられる規格でも、採用する数が増えればメジャーになるとでもいうのだろうか。

Android OSも次のバージョンでは、ノッチディスプレイを有効活用できるようになるという。
とはいえノッチ部分のサイズは、メーカーや機種ごとに異なる。
このため、いくらOS側で対応したとしても、通知領域の表示が機種ごとに異なるといったことは十分に予想できる。

ノッチの存在は、OSの開発にも負担と影響を与えることは間違いない。


無名メーカーもノッチの付いたディスプレイのスマホを投入している



今後ノッチディスプレイの採用がさらに増えていけば、表示されるコンテンツやアプリの開発も、ノッチディスプレイを意識したものになっていくだろう。
しかし消費者が、本当に
・ノッチディスプレイを受け入れるのか?
・ノッチディスプレイを積極的に選ぶか?
これは、現段階では、未知数だ。

ASUSもZenFone 5シリーズの下位モデル、ZenFone 5 Liteにはノッチディスプレイを搭載していない。つまりメーカー側も「試行錯誤している」「正解を探っている」というのが実情なのだ。
おそらく消費者側も、メーカー側も、疑問を持ちながら、ノッチ付きディスプレイ搭載しスマートフォンと向き合っている。2018年のスマホ市場はしばらくこの状況が続いていくだろう。


山根康宏