素早さが信頼につながる「メールの返信」決まり文句6

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文章を書くのが苦手だ。メールの表現に悩み、時間がかかる。マナーに厳しい取引先がいる……。一般的な書き方を知れば、面倒は減る。今回、ニーズ別に、フレーズと文例を集めた。「ビジネス表現の基本」を確認しよう。

■素早い返信は信頼につながる

日常のメールのやり取りでは、新しくメールを書き起こすよりも、もらったメールに返信するほうが多いもの。ビジネスメールでの鉄則は「24時間以内」に返信することです。かつては「2〜3日以内」でしたが、いまでは多くの企業で「24時間以内」が暗黙のルールになっていると感じます。

まずは「受け取った」「読んだ」「理解した」「現在検討中」などと返信しましょう。すぐに「YES」「NO」などと明快な返答ができない場合でも、現状を知らせることで相手は安心します。厄介な内容であれば、その後に追って電話をかけてもよいでしょう。

「24時間」を過ぎると相手は不安に思い、「メールが届いていないのか」「不備があったのか」「失礼をしたのか」など、いらぬ心配をかけることになります。

メールは、その仕組み上、相手に届いているかどうかわかりません。メールソフトによっては「開封確認」という機能もありますが、強制的な確認を不快に思う人もいます。たったひとことの返信でも、相手を安心させる大きな効果があることを意識しましょう。

【基本のフレーズ】

◆ご連絡ありがとうございます。
――メールをもらったことに対する「謝意」から書き出すと、文面に親しみが出る。

◆早速のご返信をいただきまして、ありがとうございます。
――返信・対応の早さに「謝意」を伝える。

◆添付資料2点、確かに拝受しました。
――詳細確認はまだでも受領の連絡はその日のうちに。「受け取りました」としてもいい。

◆明後日、あらためてご連絡いたします。
――事情があってすぐに返信できない場合、いつまでに返信できるかを伝えておく。

◆来週でも差し支えなければ、お引き受けいたします。
――相手のリクエストにすぐに対応できない場合、どの期間なら対応可能かを明示する。

◆来週までお待ちいただくことは可能でしょうか。
――こちらがすぐに対応できない場合、相手に打診しながら意思確認をすることも重要。

◆願ってもないチャンスをいただき、大変うれしく思います。
――依頼を引き受けるなら、感じよく前向きさを相手に伝えたい。

◆私でよければ、よろこんでお引き受けいたします。
――控えめに謙遜しつつも「よろこんで」や「ぜひ」という言葉で前向きさを伝える。

◆こちらのメールに返信は不要です。
――メールのやり取りに区切りをつけたいとき、明確なメッセージとなる。

【“逆効果”の恐れがあるフレーズ】

◆了解いたしました。
――ごく親しい相手なら問題ないが、「承知しました」「かしこまりました」が無難。

◆メールは届いていますので、ご安心ください。
――メールの受け取り連絡をほとんどせず、たまの返信メールがこれだと問題。

◆今週は多忙のため対応いたしかねます。
――自分の忙しさをアピールしているにすぎず、相手を「イラっ」とさせることも。

◆鋭意努力いたします。/精進いたします。
――不慣れな言葉は上滑りしやすい。「よろしくお願いいたします」でまとめてもよい。

■シーン別「返信」の例文

ケース1:回答を一旦保留

資料をお送りいただき、ありがとうございます。
内容を確認のうえ、○日までに返信いたします。

POINT●相手からの要望や条件、説明が多岐にわたる場合、安請け合いするのはトラブルの元。まずは受け取り連絡メールで安心してもらい、猶予をもらうこと。

ケース2:条件が厳しい

すべての案件は間に合いそうにありません。
AとBを明日までに、C案件を明後日までに
お送りできればと思いますが、いかがでしょうか。

POINT●依頼のすべては実現不可能でも、どこまでならできるか、何が障害となるか、サポートしてほしいことなどを明示すると、相手も判断できる。

ケース3:すぐに対応できない

ご依頼いただいたパンフレットは、
ただいま在庫を切らしております。
○日までお待ちいただけないでしょうか。

POINT●依頼されてもすぐに対応できないこともある。そんなときは事情・状況を説明し、いつまでに、あるいはどのような状況になれば対応できるか明示する。

ケース4:ミスを指摘されて

さきほど確認したところ、
××様のご指摘の通りでした。
お知らせいただき、ありがとうございます。

POINT●つい「お詫び」から入りたくなるところだが、まず速やかに対応したことをアピールし、感謝の気持ちを伝えることも重要である。

ケース5:依頼を引き受ける

10年来取り組んできたテーマです。
私でよければ、よろこんでお引き受けいたします。

POINT●依頼者に「この人に頼んでよかった」と思われれば、評価も期待値もアップする。そのためには事務的な返事ではなく積極的な気持ちを伝えよう。

ケース6:やり取りを終わらせる

それでは○日にお目にかかれるのを
楽しみにしています。

POINT●返信に返信が重なってしまう場合には、「次の段階」を示す。メールから面会に場を移すことが伝われば、「返信合戦」は終わる。

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平野友朗
1974年生まれ。筑波大学人間学類卒業。広告代理店勤務を経て、2004年にアイ・コミュニケーションを設立。13年には一般社団法人日本ビジネスメール協会を立ち上げ、ビジネスメールスキルの標準化に取り組む。『モノの書き方サクッとノート』(永岡書店)など著書多数。

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(プレジデント編集部=構成、文例作成)