28日、フジテレビ系列で「タモリのボキャブラ天国大復活祭スペシャル!!」が放送された。個人的な感想としては、見事の一言。最近の若手お笑い芸人を大勢出演させるバラエティ番組の中では出色の出来だったと思う。

 最近はとりあえず芸人を出しておけばいいと思っているかのような番組が多すぎる。とりあえず芸人を出してクイズ。とりあえず芸人を出して歌合戦。とりあえず芸人を出して似ているとはお世辞にもいえない物真似大会。若手芸人の人気にあやかりたいだけの、残念なバラエティ番組だ。ボキャ天復活の噂を聞いて私は密かに危惧していた。“とりあえず若手芸人を出してボキャブラごっこ”だったらどうしよう、と。だがそれは杞憂に終わった。

 ボキャ天はいい番組だった。終了間際は確かに多少の危うさもあったが、それでもかろうじておもしろいうちに幕を引けたといってもいいだろう。元々がおもしろいのだから、若手芸人の人気など借りる必要はなかったのだ。

 復活祭では人気を貸すのではなく、胸を借りる形となった若手芸人たち。思い思いのボキャブラネタを披露し、中には10年前でも高得点を獲得したのでは、と思わせるものもあった。そんな“ニューキャブラー”たちの競演では、人気絶頂の芸人たちを押さえてイワイガワ(浅井企画)が優勝。これから先、彼らは頭角を現すことになるのかもしれない。

 しかし番組の中心に据えられたのはあくまで“元祖”キャブラーたち。爆笑問題(タイタン)、ネプチューン(ワタナベエンターテインメント)、BOOMER(三木プロダクション)などのボキャ天芸人が集まり、当時のVTRを見て昔話に花を咲かせていた。同窓会のような和気あいあいムードで番組は進むが、新作披露の場で空気は一変。ネプチューンや爆笑問題は若手の頃に戻ったかのような緊張感を覚えたと吐露した。そしてやはり、その2組のネタは頭一つ出ていたように思う。当たり前のことなのかもしれないが、やはりおもしろい芸人、おもしろいことをやろうとする芸人だけが生き残るのだと痛感した。

 元祖キャブラーたちの話を聞き、視聴者としての思い出話をする若手芸人は非常に楽しそうだったが、終始胸中穏やかだった者はどれくらいいただろう。10年前はこの世の春を謳歌していた元祖キャブラーたちだが、復活祭では一部のMCを担当する者もいれば、久しぶりにテレビ出演する者、この日のためにコンビを再結成した者もいた。そんな彼らを見て将来に対する不安を覚えた若手芸人は少なくはないはず。番組冒頭でBOOMER・伊勢がつぶやいた『テレビ出るって難しいですね』が印象深い。

 このボキャ天復活祭は若手芸人にとっていい刺激になったのではないだろうか。あと数年もすれば「レッドカーペット」(フジテレビ系)を見て育ったさらなる若手も登場してくるだろう。その時、今の若手芸人たちはどうなっているのか。10年後、今度はレッドカーペットの復活祭をやるのもおもしろいかもしれない。

(編集部 三浦ヨーコ)


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