大暮維人の人気マンガ『天上天下』を躍動感あるアニメーションに!川瀬敏文氏インタビュー
武道家の子息が通う統道学園で、鍛錬を積みながら学生生活を送り異能の力に目覚めていく者達を描く人気マンガ『天上天下』(てんじょうてんげ)
原作は大暮維人氏(おおぐれいと・Oh!great)。
精密な背景やキャラクター造形で、1997年から2010年まで集英社のヤングジャンプにて連載していた。全22巻で現在は完結している。
登場人物の複雑な人間関係、感情表現と共に、各々の成長の描写が特徴である。

連載スタート時から人気の高かった同作をアニメ化するにあたり、監督を務めたのは川瀬敏文氏。
2004年に放送されたTVアニメ『天上天下』が2013年にBlu-rayとなって転生することを記念して、監督に制作当時のことを伺った。
--原作を読んだのはいつのタイミングでしたか?
川瀬敏文監督(以下、川瀬):アニメ化のお話を受けてからですね。いやーすごいのを引き受けちゃったなと…。
学園生活がメインのあたりまで発売されてた頃ですね。
--すごいの、というと。川瀬:原作のクオリティが非常に高いなと。絵の密度が高くて、アニメのレイアウトが取り辛いなと思いましたね。マンガのキメシーンを見開きでばーんと出すのはアニメのテクニックと大差ないんですが、大暮維人先生のマンガは1コマ1コマの描き込みがすごくて「どうしようかな」という感じでした(笑)
原作を読んだかぎり、その密度が作品のカラーになっていたので、そこは崩せないところでした。普通のアニメーションの場合、制作とかの事情で顔のアップを多用するんですが、そうしちゃうとカラーである『濃さ』を武器にできないなと。その部分をどう解釈していくかが大変でしたね。
--『濃さ』の対策はありましたか?
川瀬:密度が高い部分って、アップとは逆のヒキのカットで背景がよく見えるんですよ。あるいは高いところから全体を見渡す俯瞰(ふかん)だったり。俯瞰って、アニメーションでは苦手な表現なんです。そのカットで動き回られちゃうと、もう…。ぶっちゃけてしまうと、俯瞰のシーンが描ける腕の良いアニメーターって、限られちゃうんですよね。
制作プロダクションは絵に定評のあるマッドハウスさんでしたので、そこの優秀なスタッフにかなり救われました。他のプロダクションではあの原作を再現し切れなかったかもしれないですね。絵の管理もちゃんとしていただけました。
--監督はマッドハウス所属のアニメ監督さんというわけではなかったのですね。
川瀬:当時からフリーでした。
『天上天下』のとき、直接オファーいただいたのでマッドハウスさんに出向いていった感じです。
それ以前から、マッドハウスさんとはいろいろお仕事してたんですけどね。
『天上天下』のアニメ化は大変でしたけど、環境がよかったです。


