(新北 21日 中央社)日本統治時代の台湾でつくられ、今は使われなくなった9つ続きのトンネルを、地方自治体の指定古跡にしようとの動きが盛り上がっている。市民からの要請を受け、新北市政府は20日、うち4つのトンネルを歴史建築として登録し、さらに2つについても、古跡指定を念頭に調査を始めたと発表した。

このトンネルは、1924年に開通した宜蘭線のうち、現在の新北市・瑞芳区から、南側に隣り合わせる雙渓区までを結ぶ区間につくられた。今なら各駅停車でも20分程度の短い距離には、9つものトンネルが続いている。

当時、瑞芳から雙渓までの汽車賃は日本円で1円。庶民には少々ふところの痛む出費だったが、うっそうと茂る深い緑の山々を抜けるトンネルの旅は格別で、地元の人々は台湾語で「1円で9回のトンネル」(一銭鑽九孔)と、この鉄道の旅を楽しみにしていたという。

1984年に宜蘭線は複線化され、単線の旧路線とともに9つトンネルもその役目を終えたが、ノスタルジーたっぷりの廃トンネルは、今でも鉄道ファンやサイクリング客らに愛され続けている。

史跡研究家らは以前から、このうち6つのトンネルについて、歴史的な価値が非常に高いと新北市に働きかけを続けてきた。市ではこのほど、まず員山1〜3号トンネルと、猴硐トンネルを歴史建築と認定、残る三瓜子と三貂嶺の2トンネルについても調査を進め、今後はサイクリングロードなどとして活用していきたい考えを示している。