ユーストリームはなぜ既存放送局と対立せず成長できたのか〜ユーストリーム創業者2人に聞くメディア進化論
日本で爆発的に普及するツイッターとほぼ同じ勢いで伸びているのが、インターネットでライブ映像を配信するユーストリーム。ウェブ対応のカメラとモバイル機器があれば、誰でも映像を全世界に発信できる。すでに日本のテレビ局とも接触を始めた同社の創業者2人に話を聞く。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 池冨 仁)

ユーストリーム共同創業者兼CEOのジョン・ハム氏(写真左)と同社共同創業者兼社長のブラッド・ハンスタブル氏(写真右)。Ustream は、 2006年に米国陸軍士官学校在籍時に意気投合した両氏とジュラ・フェヘル博士の3人で創業。PCやスマートフォンを使って、撮影した動画をインターネットで“生放送”できるサービスを無料で提供(一部有料)。今年4月には、月間利用者数が全世界で1億人を超えた。Photo by Toshiaki Usami
ジョン:最初のうちは、確かに大変だった。なかなか、真剣に話を聞いてもらえなかった。というのも、過去にはインターネットカンパニーの多くが“破壊的アプローチ”によって、すでに存在するエコシステムを壊してきた歴史があるからだ。
ブラッド:だからこそ、ユーストリームは「win-winで共存共栄できる。長期的には大きなチャンスになる」ということを訴えてきた。インターネットは、既存のメディア産業にとって、有効な“ツールとしての価値”をもたらす技術であることを力説してきた。
─ツールとしての価値とは、どのようなものか?
ジョン:その前に、われわれが最も重視しているDNAについて、知ってほしい。ユーストリームは「謙虚さ」(humility)というものを大切にしている。
これは、既存のメディアが築き上げてきたものを尊重し、それらを生かす手助けをするという考え方だ。彼らはコンテンツの配信先を求めている一方で、われわれは良質なコンテンツを求めている。だから、共存共栄の補完関係を築いていくことができる。
ブラッド:たとえば、米ABCは、2009年の「アメリカン・ミュージック・アワード」の放送をテレビで開始する夜8時まで、アーティストが会場入りする様子を4時間続けてユーストリームで配信した。このインターネット中継は、全米の210万人に視聴されて、直後のテレビ放送では視聴者が対前年同期比で200万人増えた。
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