[6.20 W杯F組第2節 日本 4-0 チュニジア モンテレイ]

 切れ味鋭い突破でゴールをお膳立てした。日本代表MF中村敬斗(スタッド・ランス)は前半4分にMF鎌田大地の先制点をアシスト。「味方があそこまでうまくつないでくれた。1点目は僕たちが練習してきた形が出た」と手応えを口にした。

 最終ラインから丁寧につないでいったボールだった。DF冨安健洋、鎌田、FW上田綺世、MF田中碧を経由し、敵陣付近の中村のもとへ。「まず1対1になった場面で仕掛けるのは決めていた」(中村)。鋭い突破でPA左の深い位置まで潜り込み、「グラウンダーで速いパスは意識して出した」。ゴール前に詰めた鎌田がヒールキックで押し込んだ。

 初戦・オランダ戦のゴールに続き、2試合連続で得点に絡んだ。初戦のゴールはカットインからの右足一閃。今回はカットインを相手が警戒していた。「右足でボールを持っているのを相手はわかっていたので、それがうまく効いた」。右足のキックフェイントで深い位置まで入り込み、クロスを選択した。

 ひとつの大きな武器を生かすための選択肢を増やした。「カットインだけじゃなくて、今日はキックフェイントで縦に行ってクロスでアシストした。自分がやってきたことが結果につながっている」。左サイドのスペシャリストとして君臨したMF三笘薫が不在のなかでも、もう一人のスペシャリストとして真価を見せつけている。

 鎌田のゴール後、中村は両手でKのポーズを取った。怪我でベースキャンプ地でリハビリを続けるMF久保建英へのメッセージであることを認めつつ、「(向きが)逆になっちゃった」と笑う。

「自分が点を取ったら久保選手にやるということだったけど、アシストしたし。鎌田選手がKをやったら『鎌田のK』と言われてしまうので。僕がやると言っていた」

 試合前には、同じグループのオランダとスウェーデンの試合をフルで観たという。日本と第3節で戦うスウェーデンがオランダに1-5と大敗。チュニジア戦の結果次第では、グループ突破にも大きく影響してしまう中で、中村は「絶対に勝たなきゃいけない」とチュニジア戦に向けて決意を新たにしていた。

 終わってみれば4-0と快勝。「大量得点で終わると思ってなかったけど、結果として大量得点できたのがよかった」と振り返る。「チームの総合力でも僕らが上回っていたし、個人個人で見ても僕らが上回っていた。それがこの快勝につながった」と力を込めた。

 久保からメッセージが届いたことも明かし、「喜んでました」と中村。最終節・スウェーデン戦へ「次の試合に向けていい準備ができたら」と先を見据えていた。

(取材・文 石川祐介)