(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)

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厚生労働省が2025年7月に発表した『令和6年簡易生命表』によると、2024年の平均寿命は女性87.13年、男性81.09年となり、国際比較では、女性は40年連続で世界1位を維持し、男性は6位となったそうです。そんな中で、東京大学名誉教授である血液学者の北村俊雄さんは「100歳を超えても、元気で楽しく健康に生きられる――。近未来の医療でかつてない長寿社会が実現します」と語ります。そこで今回は、北村さんの著書『東大名誉教授が教える 死なない生き方 科学でひもとくアンチエイジングと健康寿命』より一部を抜粋し、「『健康寿命100歳』を手に入れるための対策」をお届けします。

【書影】最新の研究成果とともに「健康寿命100歳」を手に入れるための対策をご紹介!北村俊雄『東大名誉教授が教える 死なない生き方 科学でひもとくアンチエイジングと健康寿命』

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サプリメントの科学

サプリメントの中で種々の蛋白質を原料としているものについては、効果が期待できないものが多い。

中には、特定の蛋白質を小さくした分子が含まれていると謳っているサプリメントもある。

しかしながら蛋白質は、たとえ低分子化されていても胃と小腸で分解され、バラバラのアミノ酸になって主に小腸から吸収される。

そしてバラバラになったアミノ酸が、再び元の形になって、膝や皮膚などの行ってほしい場所に届くことは難しいだろう(可能性は否定しない)。

効果が期待できないサプリメント

同様の理由で効果が期待できないサプリメントは、いろいろと販売されている。

蛋白質ではなく、比較的分解されにくいだろうと思われるグルコサミンやコンドロイチン硫酸に関する効果についても、相反する報告がある。

ここで詳しく述べることはしないが、厚生労働省の「統合医療に係る情報発信等推進事業」のホームページなどを参考にしてほしい。

私にとってのサプリメントの話を少し紹介する。

私が毎日飲んでいるもの

長く研究を続ける(楽しむ)ためには、脳の機能が保たれることは必須条件である。

私は、魚に多く含まれ、血をサラサラにする必須脂肪酸DHAとEPAが記憶にいいと聞き、これらの脂肪酸をたくさん含む豆乳を毎日飲んでいる。


(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)

どれだけ科学的証拠があるかは不明だが、豆乳自体も身体に良さそうだし、私は牛乳をほとんど飲まないので、代わりにこの豆乳を毎日飲んでいる。

長い出張の際には荷物の中にいくつか入れているほどである。

科学的に考えると効くはずがないサプリメントについては、絶対効かないと証明することは難しいということ、また営業妨害になるリスクもあるので、直接的な表現は避けて記載するが、読みとっていただきたい。

次に、効果が期待できるかもしれないサプリメントを紹介する。

ビタミン剤

さまざまな組み合わせのビタミン剤のサプリメントも多い。日頃からバランスの良い食事をしていれば、ビタミンが欠乏することも少ないと思われるが、中にはビタミンDのように不足する可能性があるビタミンもある。

ビタミンDは野菜や穀物、豆や芋類にはほとんど含まれていない。魚やキノコには多く含まれているが、体内でコレステロールから作るビタミンDも重要だ。

体内でコレステロールから作る際には、日光に当たることが必須なので、ほとんど外に出ないで偏った食生活をしている人では、ビタミンDは不足する可能性がある。

体内で作ったビタミンDも摂取したビタミンDも、速やかに腎臓で活性型に変換される。普通のビタミンDに比べて活性が高い活性型のビタミンDも販売されているが、ビタミンDは腎臓で活性型ビタミンDとなるので、腎臓に問題がない限り、服用するのは活性型ビタミンDでも普通のビタミンDでも大きく変わらない。

ビタミンDは骨や筋肉を作るために重要なビタミンであり、イギリス、アメリカ、カナダ、フィンランド、インドなどでは国家として推奨している。

ビタミンCやビタミンEは抗酸化作用があるので、活性酸素によるDNAや組織の損傷を抑制する効果がある。活性酸素が多い状態は酸化ストレス状態と呼ばれ、過度の運動、疲れ、大気汚染、タバコ、紫外線、精神的ストレスなどによって誘導される。ビタミンCとビタミンEは、この酸化ストレスを抑制することによって体の細胞を健康に保ち、種々の細胞機能を回復させる。ビタミンCも通常の食事をしていれば、不足しない。ビタミンCには目立った副作用はない。ただし、あまり飲みすぎると腎結石のリスクが少し上昇する。

ビタミンEは脂肪組織に蓄えることができるので、成人では極端な低脂肪食にしない限り不足にはならない(新生児では不足していることがある)。

次回に続く

※本稿は、『東大名誉教授が教える 死なない生き方 科学でひもとくアンチエイジングと健康寿命』(日経BP 日本経済新聞出版)の一部を再編集したものです。