福岡市に「嵐」「ドリカム」、決戦は今週末…ホテル難民に「列車滞在」や「北九州市で宿泊を」のすすめも
福岡市で人気アーティストらの公演が重なる今月25日前後にホテル不足や交通混雑が予想され、関係する企業が対応を進めている。
満室となったホテルは周辺エリアでの宿泊を勧めているほか、多くの利用が見込まれる鉄道・バス会社は増便で移動需要に備えている。一方、訪れる県外客に市外まで足を延ばして観光してもらおうとSNSで発信する自治体も出ている。(佐藤陽)
シングル素泊まり、1泊4万円
「カプセルホテル素泊まり、1泊2万5000円」「シングルルーム素泊まり、1泊4万円」――。
今月22日に大手宿泊予約サイトでJR博多駅一帯の25日の宿泊施設を検索すると、空室があるホテルの一部では、通常の週末や5月の大型連休時より割高な料金が表示されるケースが目立っていた。
すでに予約で満室となったホテルも少なくないとみられ、福岡、北九州両市を中心に宿泊業を展開する西鉄ホテルズ(福岡市)は「福岡市内はほぼいっぱいで、近郊のホテルを案内している」と説明する。福岡県旅館ホテル生活衛生同業組合専務理事で、同県柳川市で宿泊施設を営む富安信一郎さんも「宿泊需要は鉄道沿線に波及している」と話す。
最後のツアー
福岡市内でホテルの需給が切迫している要因は、週末に行われる複数のライブに市外や県外からも多く訪れるとみられるためだ。
市内では24〜26日、アイドルグループ「嵐」がみずほペイペイドーム福岡で、「DREAMS COME TRUE(ドリカム)」が25、26日にマリンメッセ福岡でコンサートを開く。日程が重なる2日間では市内在住者も含め両会場だけで来場者が1日計5万〜6万人規模に上る見通しだ。ほかの大型ホールでも複数のコンサートが予定されている。
福岡市で公演日程が重なって宿泊価格が跳ね上がることは従来もあったが、今回は嵐が最後のツアーとなっているため一段と注目度が上がっている。「ホテル難民」への対応を検討していたJR九州は、博多駅に停車した特急列車内で25日夜から明朝まで滞在できる催しを企画。座席の種類に応じて1人税込み7800〜2万3600円で19日まで予約を受け付けたところ、定員(125人)の約半数が埋まったという。
臨時列車も
交通機関は、主に日帰りする来場者ら向けに増便に乗り出している。
JR西日本は24〜26日、公演の終了時間に合わせて山陽新幹線で博多発小倉・広島行きの臨時列車を走らせる。混雑が予想される博多駅などではすでに、同社が切符の事前購入を呼びかけるポスターを掲示している。高速バスの九州産交バス(熊本市)は24〜26日、みずほペイペイドームと熊本市内を結ぶ臨時直行便を運行し、需要を取り込む。
一方、ホテルを探す県外客らの関心を引こうとしているのが、北九州市だ。
観光宣伝を担う市インバウンド課は今月9日にX(旧ツイッター)の公式アカウントで「25日は福岡のホテルが取りにくい…そんなときは、ちょっとだけ足をのばして北九州へ」と投稿。博多駅から新幹線で15分の距離にあることや、市が誇る夜景などを紹介した。
担当者は「福岡市からの移動費を加味しても、北九州の方が割安に宿泊できる」とアピールしている。
