地震から一夜明け、津波注意報も解除された中、遊覧船に乗船する観光客ら(21日午前9時19分、宮城県松島町で)=川崎公太撮影

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 20日夕に発生した三陸沖を震源とする最大震度5強の地震から一夜明け、ビル外壁の落下による天井損壊など各地で被害が明らかになってきた。

 「北海道・三陸沖後発地震注意情報」の発表も継続。震度6強を観測した昨年12月の青森県東方沖を震源とする地震に続いての事態で、大型連休を前に、観光関係者は影響を懸念している。

 「強い揺れが来た後すぐに『ドーン』という響く鈍い音が、上の方から鳴った」

 青森県八戸市の和菓子店「紅屋」の屋根には、地震によって隣のビルの外壁が剥がれて落下。天井に四つの穴が開いた。昨年12月の地震発生後、隣のビルの外壁が剥がれて浮いた状態になっていたといい、店主(61)は「次に地震がきたら落ちるのではないか」と心配していたという。

 宮城県石巻市のJR仙石線の踏切近くでは21日午前4時50分頃、道路の陥没が発生し、乗用車が溝にはまって立ち往生した。上水道を管理する石巻地方広域水道企業団によると、地震の揺れで水道管が破損して漏水し、舗装下の土砂が流出して発生したとみられる。1962年に敷設された水道管で、老朽化が進んでいたという。

 震度4を観測した同県気仙沼市で避難所となった市総合体育館では、武道場に暖房や毛布が用意され、市民ら7人がそのまま宿泊した。早朝に帰宅した会社員(41)は「今後も(後発地震注意情報で)1週間ほどは緊張が続くので、早め早めの行動を心がけたい」と語った。

 青森県八戸市のパート従業員(83)は、昨年12月の地震で一部損壊した自宅で、不安な夜を過ごした。今回の地震で屋内の壁の亀裂がさらに広がったといい、「次の地震が来たら、家がぺしゃんこになってしまうかも。逃げる準備をする余裕もなく、精神的に疲れてしまった」と肩を落とした。

 日本三景の松島(宮城県)で遊覧船を運航する「松島島巡り観光船企業組合」には21日、同日分で数件のキャンセル連絡が来た。地震で被害はなく、この日は朝から通常通り運航を始めたが、昨年12月は団体客など数百人分のキャンセルが出ており、高野裕太理事は「ゴールデンウィークの稼ぎ時に影響しないか心配だ」と表情を曇らせた。

 40センチの津波が観測された岩手県宮古市では、26日投開票の市議選の期日前投票が一部で実施できなくなった。三陸鉄道の車両内で投票できる「移動期日前投票所」を21日に市内3駅で予定していたが、線路点検のため中止となった。

 文部科学省は21日、三陸沖を震源とする地震の影響で、同日午前5時半現在、青森県内の公立小中高校と特別支援学校の計88校が休校になったと発表した。同県八戸市の八戸工業高等専門学校では、防火扉が故障する被害も出た。

 一部の小中学校では、今年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の実施日と重なったが、予備日などに実施する方向で調整する。