シルバー人材センターで月「10万円」ほど稼いでいるのですが、家族に「働きすぎると年金が減る」と言われて不安です。このくらいの収入でも受給額に影響するのでしょうか?

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定年退職後に「シルバー人材」で仕事をする方は少なくありません。働き方は人により異なりますが、今回のケースのように月収10万円を稼ぐ方もいるでしょう。   シルバー人材での収入は家計の助けになりますが、「収入があると年金の受給額が減ってしまうのでは」と思う方もいるかもしれません。収入の種類によって扱いが異なる点を正しく理解しておくことが大切です。   本記事では、シルバー人材での収入と年金の関係について解説します。また、シルバー人材で働く場合の報酬と確定申告の関係についてもまとめていきます。

シルバー人材センターの収入は原則として「雑所得」扱い

シルバー人材センターを通して働いた場合、就業形態によっては、センターと労働を行う会員との間に雇用関係が発生しません。
就業形態はおもに次の4つが挙げられます。
 

・請負
・委任
・シルバー派遣
・有料職業紹介

上記のうち、「請負」と「委任」の就業形態では、シルバー人材センターと会員との間に雇用関係はありません。センター会員はセンターから仕事を請け負うか委任契約に基づいて労働し、その報酬を受け取るかたちになります。
センターから委託された仕事に対する報酬はシルバー配分金と呼ばれ、「雑所得」となるため、今回のケースにおいてもセンターから委託された仕事であれば、「月10万円の雑所得を得ている」ことになります。
なお、年金も原則的に雑所得です。

雑所得は「在職老齢年金」の支給停止対象にはならない

一般的に、年金を受給している人が労働する場合、「在職老齢年金」という制度に基づいて年金の支給が一部停止されることがあります。
日本年金機構によると、制度の対象者は「70歳未満で会社に就職して厚生年金保険に加入した人や、70歳以上で厚生年金保険の適用事業所に勤める人」です。
また、給与やボーナスの額と老齢厚生年金の額の合算が月65万円を超えた場合に適用されます(令和8年4月以降)。
ポイントは、老齢厚生年金と合算する収入は「給与やボーナス」であることといえます。
「請負」や「委任」という就業形態の場合、シルバー人材センターからの配分金は給与ではなく、雑所得に分類される報酬です。厚生年金保険に加入しない働き方となるため、在職老齢年金の制度によって年金がカットされることはないと考えられます。

確定申告が必要になることがある

雑所得であるシルバー配分金は、年金と同じく課税対象です。
政府広報オンラインよれば、公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下かつその公的年金等の全部が源泉徴収の対象であり、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下の場合は、確定申告は必要ありません。
一方、公的年金等の収入金額の合計が400万円を超える場合や、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円を超える場合は、確定申告が必要です。
所得は必要経費を引くと算出できます。
シルバー配分金は「家内労働特例」という制度により、65万円を上限として経費の計上が認められています。交通費や材料費などの経費を引いて最終的に20万円以内におさまれば、確定申告をしなくてすむ可能性が高いです。
今回のケースに上記の点を当てはめてみましょう。
月10万円の収入があり、毎月同じ報酬を得ていると仮定すると、年収120万円です。経費を65万円計上できても、所得は55万円になり、基準の20万円を超えてしまいます。よって今回のケースでは確定申告が必要であると考えられます。

シルバー人材の報酬では基本的に年金額に影響しないと考えられる

シルバー人材で働く場合、センターから委託された仕事に対する報酬はシルバー配分金と呼ばれ、雑所得として扱われます。雑所得は在職老齢年金の対象外であるため、同制度によって年金の一部または全部が支給停止されることは原則ありません。
しかし確定申告については注意が必要です。今回のケースのように、まとまった収入がある場合は、経費を差し引いても20万円超の所得になり、確定申告が必要になる可能性があります。
必要経費や確定申告の詳細など分からない点がある場合は、国税庁の「電話相談センター」や最寄りの税務署などに問い合わせてみるとよいかもしれません。
 

出典

日本年金機構 在職中の年金(在職老齢年金制度)
日本年金機構 在職老齢年金制度が改正されました
政府広報オンライン ご存じですか?年金受給者の確定申告不要制度
国税庁 税について調べる タックスアンサー(よくある税の質問) No.1810 家内労働者等の必要経費の特例
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー