14歳の撮影会で「“振り返って”のポーズが怖くて」「マジでごめんね」中学生で常連ファンを出禁に…西永彩奈(30)が語る、ジュニアアイドル時代の苦い記憶〉から続く

 13歳でグラビアアイドルとして活動を始め、年齢を感じさせないルックスで長く人気を集めてきた岡山県出身の西永彩奈さん(30)。

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 30歳を迎えてグラビア卒業を発表した彼女に、厳しいグラドル業界を生き抜くための武器になったAカップの胸、グラビア雑誌の副編集長としての顔、グラビア卒業を決意した理由などについて、話を聞いた。


西永彩奈さん

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痩せて「もうAカップって言ったほうが面白いよね」って

――グラビア活動をする上で、自分の体型に自信はありましたか?

西永 全然なかったです。デビューした時はBカップだったんですけど、成長するどころか逆に胸がなくなって、高校生を卒業するあたりですごく痩せてAカップになっちゃって。

――そこに悩んだことも?

西永 少しはありました。「最初から巨乳だったらドカーンと売れていたかも」とは考えますけど、そうだったら長持ちしなかったかもしれない。巨乳の若い子はどんどん出てきますから、そこでずっと生き残れた自信はないです。

――その体型を個性にしてグラビアで生き残れたと。

西永 痩せてAカップになったらなったで「もうAカップって言ったほうが面白いよね」ってなって公表するようになりました。そうしたら、Aカップ絡みの仕事が年に2回ぐらい来るようになったんです。

「おっぱい図鑑」みたいな企画で、カップ順に並ぶというもので。Hカップのグラビアアイドルはたくさんいるけど、Aカップはいないから、すぐにキャスティングが決まるんです。おかげで『週刊プレイボーイ』さんがやってくれた「ちっぱい番付」では、西の横綱になりました。

成績優秀で、私より胸がでかい妹の「飲み会ネタ」

――大きな武器になったと。

西永 私はむっちりしているのに胸がない特殊な体型だったので。それが個性になったんだと思います。

――家族がグラビア写真を見たりすることってあるものですか。

西永 基本的には見ないですね。顔は写さず、体だけ写すフェチ系の写真集みたいなのがあって、その中に私も載せてもらって。パパに「どれが私でしょう」って言ったら、「これだ。胸ないもん」って言われて(笑)。

 妹は成績優秀で、私より胸がでかいんですよ。だから「なんで彩奈がグラビアやってるんだろうね」っていうのは言われますね。結構、会社の飲み会のネタになるみたいで「姉はグラビアやってて、妹は早稲田の法学部出てて」とか言うと盛り上がるそうです。

体型は「年々調子よくなってる」「今が一番ベスト」

――いろんな場所で撮影したと思いますが、「えっ、ここで?」みたいな場所は?

西永 いろんなコンセプトのスタジオにも行きましたし、本当に廃墟みたいな倉庫に行ったこともあります。「ここ、アダルトでも使ってるところだ」みたいな有名なプールとか(笑)。

 楽しかった場所だとベトナムが一番でした。

――デビューから18年間で、体型的に一番ベストだった時期はありますか?

西永 年々調子よくなってるなとは思って。自分的には今が一番ベストな感じです。

――ということは、常に「今がベスト」?

西永 ですね。あと、自分の中の目標で、毎年去年の給料を超えるっていうのがあるんですけど、18年間ちゃんとそれは更新できました。

――体型維持のために、これまで努力されてきたことはありますか?

12キロダイエット…ファンは「もうちょっと太っていいんじゃない」

西永 それが、特に何もしてこなかったんです。ポテンシャルに甘えちゃってて。でも、28歳ぐらいから代謝が落ちて、体重の増加が止まらなくなってしまって。

 原因はお酒とラーメンなんですけど。3年前ぐらいに期間限定でアイドルグループをやった時に、若いメンバーたちとライブ終わりにラーメンを食べるようになって。その習慣が残ってしまって、運動もしなくなったらドドドドンと。

――それでダイエットを。

西永 29歳の8月にピークの体重になって、9月にダイエットを始めて、今(2月)は12キロぐらい落としました。

――どんな方法で減量をしたんですか。

西永 16時間ダイエットです。最初の1カ月はつらかったですけど、乗り越えたら慣れました。50本目の記念DVDを8月に撮った時はすごくムチムチだったので、その後のイベントに痩せて出ていったら面白いかな、というのもあって頑張りました。

――ファンは体重の増減に逐一反応します?

西永 ファンの方は太っても何も言わないんですよ。「ムチムチが好き」みたいな。逆に痩せると「ご飯食べてね」って心配されます。「もうちょっと太っていいんじゃない」とか。私のファンは「細いほうが好き」というわけではないようです。

エイプリルフールをきっかけに『Cream』の副編集長に

――2022年からはグラビア雑誌『Cream』の副編集長も務めていますね。

西永 もともと18歳ぐらいからレギュラーで出させてもらっていて、一度エイプリルフールに「『Cream』の編集長になりました」ってSNSに投稿したら、結構信じられてしまって。他の現場でもスタッフさんに「ついに編集長になったんだね」って言われるくらい(笑)。

――それがきっかけで副編集長に。

西永 思った以上に信じられたので、編集長に「本当にやるのはどうですか? 副編集長とかで」と打診してみたんです。ちょうど雑誌の30周年記念なども重なって、「じゃあ本当にやってみようか」ということになりました。

――編集的な作業をしているわけですか。

西永 最初は編集部も一日警察署長みたいなものだと考えていたと思うんですけど、結構ガチでやっています。『Cream』の付録にDVDがあるんですけど、そのメイキング映像は現場で私が全部撮って、編集もしています。

――撮影まで。

西永 はい。女の子の気持ちが分かるので、なるべくその子が好きそうな角度から撮ってあげるようにしています。あとは誌面の色校を見たり、キャスティングに関わったり、発売イベントにも立ち会ったりしています。

30歳でグラビア活動から卒業を決めたワケ

――今回、30歳でグラビア活動からの卒業を発表されましたが、いつ頃から考えていたのですか?

西永 28歳あたりから何となく思っていました。30歳の節目に50本目のDVDを出す目標がずっとあって、それも叶ったので。

――きりの良いところで。

西永 そうですね。それに、自分でやめられるうちにやめたほうがかっこいいかなって。仕事がなくなって落ちていくよりは、「まだ行けるでしょ」って言われている中で、自分自身で引退の時期を決めたほうがいいなと思いました。

――周りから引き留められたのでは。

西永 DVDメーカーの方たちからは、「どうせカムバックするんでしょ」「みんな3年ぐらいで戻ってくるから待ってるよ」「熟女で待ってるね」とか言われました(笑)。でも、「それは愛かな」って。50本目を30歳までに間に合わせるために、皆さんがスケジュールをねじ込んで協力してくれましたし。

 今のところグラビアに戻る考えはないですけど、「年に100日以上はDVDの撮影をしてきたんだなあ」としみじみすることがあって。そういう日々がなくなるのは寂しいですね。

――ファンは大丈夫そうでした?

西永 意外と悲しんでくれました。ずっとやり続ける人だと思われていたみたいで。でも、これで芸能界を引退するわけではないので、「全然会えるよ」と伝えています。最後のDVDイベントにも100人以上の方が来てくれて、嬉しかったですね。

――TO(トップオタク)の方はどんな反応を?

西永 元気でした。芸能界引退だったらへこんでいたと思うけど、「別に会えるよね」って。

クラファンで最後の写真集「全部自分でやっています」

――最後の写真集はクラウドファンディングで作っているそうですね。

西永 そうです。全部自分でやっています。事務所には制作会社としてオファーして、スタッフさんの選定から、ロケ地の交渉、写真のセレクト、ページの構成まですべて自分で。カメラマンさんやメイクさん、スタイリストさんも10代からお世話になっている方々です。

 一から作るのは大変ですけど、仕上がると感動も大きいですね。もうすぐ家に700冊届きますが、発送も自分でやりますよ。

――最後の写真集だけに、原点に戻ってデビューで着たROXYの水着を引っ張り出したりは?

西永 着なかったですね。それやってもエモいのは自分だけかなと(笑)。

――18年間の活動を振り返って、人とは変わった人生だったと思いますか?

西永 自分としてはいたって普通に生きてきたつもりでしたけど、最近インタビューを受けることが多くて、やっぱり特殊な人生だったんだなって。

 グラビアアイドルとしての18年間は、時代の流れとすごく合っていたなと思います。中学生でデビューして、卒業とともに中学生がグラビアに出ることがダメになって。私が高校を卒業するタイミングで、今度は高校生のグラビアがダメになって。うまく波をくぐり抜けてこられた感じです。

これからの活動は『Cream』の副編集長と…

――西永さんはジュニアアイドルの最後の世代だったと。

西永 そうですね。“アンダー15”が好きなファンの人たちの行き場がなくなっちゃった時に、私のことが「合法ロリ」って書かれたり、呼ばれたりしましたね。今は時代的に、そんな言葉も使えなくなってそうですけど。

――グラビアを離れて、気持ちが楽になる部分もありますか?

西永 ずっと見えないゴールに向かって走ってきたので、一つゴールができたことで、心がスッと軽くなりました。DVDを出すたびにランキングも気にしていましたし、いつ出せなくなるか分からない、という不安も常にありましたから。私の前を走っている人がいなかったので、全部自分で選択してきたから、それが正解かどうかも分からなかったですし。

――今後の活動は具体的に決めているんですか。

西永 グラビア以外に表立ってやりたいことはあまりないのですが、『Cream』の副編集長など裏方の仕事は続けていくので、そちらがメインになるかなと。自分の経験を活かして、ポージングで悩んでいる子にアドバイスしたり、裏方としてのびのびやっていきたいですね。

写真=深野未季/文藝春秋

(平田 裕介)