[4.11 J1百年構想リーグEAST第10節 町田 1-0 柏 Gスタ]

 国内で白星を勝ち取り、アジアの舞台に上がる。FC町田ゼルビアは柏レイソルに1-0で勝利。来週から始まるACLE準々決勝以降の集中開催地サウジアラビアのジッダに向かう。DF昌子源は「当初から(サウジアラビア行きは)狙っていた。サウジには最低目標で行かないと。よっしゃサウジでサッカーできる、という意気込みで行くつもりはない。ここまで来たら優勝したい一心」と意気込みを語った。

 西地区は中東情勢により延期となったため、いまだに対戦相手は決まっていないが、勝ち残っているチームにはFWカリム・ベンゼマ(アルヒラル)ら欧州クラブで名を馳せたビッグネームも名を連ねる。

「誰もが知っているような選手もいたり、それが1人や2人じゃないことはわかっている」。そう語る昌子はそれでも頂点を見据えて「決勝は神戸さんとなれば、日本サッカー、Jリーグにとってこんなにうれしいことはない」と、決勝でのJリーグ勢対決を望んだ。

 代表や強豪クラブで戦ってきた昌子は、ACLだけでも数多の経験を誇る。鹿島アントラーズ時代には初制覇を成し遂げた2018シーズンを含めて4度経験。初出場で快進撃を続ける町田に、その経験値を還元している。

 コロナ禍だった2021シーズンにはガンバ大阪でACLの集中開催を経験。ウズベキスタン開催で、約2週間の中で6試合を戦った。チームは惜しくもグループ2位で突破はならず。それでも「集中開催はなかなか経験できない舞台だった」とその価値を語る。「そこも踏まえてチーム力が大事になってくる。食事も、ホテルの環境も、暑さもそう。色んなところで難しさは絶対に出てくる。そこをいかに順応してやっていくかが大事」と振り返った。

 ジッダでは日の丸を背負って戦った。2017年9月6日、ロシアワールドカップ・アジア最終予選の最終節はアウェーでサウジアラビアと対戦。昌子は先発出場でピッチに立った。日本はすでにW杯出場を決めていた一方、対するサウジアラビアは勝てばW杯出場が決まるという大一番。ジッダに本拠地を置くクラブと対戦になったときは完全アウェーも予想されるが、昌子は当時の経験を持って「もう想定内」と思い出を語った。

「サウジでやったあのときのアウェーを想像しているので。僕ら0-1で負けたんです。(大勢のサポーターが)白い長衣を着て、黒い輪っかを頭に着けていた。失点したときの雰囲気は地鳴りのよう。黒い輪っかが飛んできて、これは投げていいものなの?と思った。そのくらい(アウェーの雰囲気は)ドカーンとなる。そうさせると厳しいので、しっかり最善の準備をするしかない。今すぐ上手くなるわけではないし、まずは気持ちの部分で勝つ」

 ビッグネームや完全アウェーといった不安要素もあるが、昌子は「一発勝負でやるので、何が起こるかわからない」と強調する。「世界的に有名な選手がいて、たしかに強いかもしれない。だけど一発勝負となれば何が起こるかわからないし、僕らも組織的には負けていない。向こうの人らほど名前はないし、給料ももらっていないけど。それでも同じサッカー選手として大きい括りは一緒。プライドを持ってしっかりやっていきたい」。その経験がもたらす自信を胸に、アジアの舞台での躍進を誓った。

(取材・文 石川祐介)