2026年4月から、離婚後の別れた父母がどちらも親権を持つ「共同親権」か、どちらかが単独で親権を持つ「単独親権」が選択できるようになった。

【映像】打診されないか不安を感じるシングルマザーの声

 ニュース番組『わたしとニュース』では、「共同親権」になると何が変わるのか、子どもにどんな影響があるのかを東京大学-IncluDE准教授の中野円佳氏と弁護士の佐藤みのり氏とともに考える。

「共同親権」を打診されないか不安を感じる人も⋯

 これまで離婚後は、父親か母親のどちらか一方しか子どもの親権を持つことができなかったが、4月からは、別れた父母がどちらも親権を持つ「共同親権」か、どちらかが単独で親権を持つ「単独親権」かを選ぶことになる。

 6年前に離婚し、今は7歳の子どもを1人で育てるAさん。モラハラが原因で離婚した元夫から、「共同親権」を打診されないか不安を感じているという。

「その(共同親権)前提で離婚していないけど、4月以降はいつ裁判所から手紙がくるのか分からない。当事者として不安を持ちながら生きていかなきゃいけないみたいな感覚はある」(Aさん)

 「4月から『共同親権制度』が選択出来ることを知っているか」という調査では、「制度の内容まで知っていた」という人は18%のみであまり知られていないことが分かったという。

 これについてシングルマザーのオンラインコミュニティ「LINQURE」の佐藤笑美里代表は、「コミュニティ内ではある程度私たちも発信しているので(共同親権の)存在自体は知っていると思うが、具体的にどうなるのかまでは『聞いたことがあるんだけど…』みたいな方も当事者でもいる。あまり深く考えずに『早く離婚したいから』ということで選ぶと、あとから変えるってかなり大変かなと思う」と話している。

「単独親権」→「共同親権」何が変わる?

 「共同親権制度」導入について、佐藤弁護士は「まずこの制度は、子どもの利益のために導入されたものなんだということを、大人が認識しておくことが制度が成功する鍵になってくるのかなと思う。親の都合や感情で、選択肢が増えたからああしちゃおう、こうしちゃおうっていうのではなくて、子どもの利益のためにうまく機能するのか見ていきたい」と述べた。

 「共同親権」は4月1日以前に離婚していても選択することができる。Aさんのように離婚した元夫・元妻から「共同親権」を求められることに不安を持つ人もいるだろう。「単独親権」から「共同親権」に移すには、どのような対応が必要なのだろうか。佐藤弁護士は、「親権が今の段階では母親の方にあって『単独親権』だと。これをこれから『共同親権』に変えたいともし仮に夫がそう思ったとして、そして家庭裁判所の方に親権者の変更を申し立てたとすると、ここでもポイントになるのは子どもの利益というところ。家庭裁判所が子どもの利益のために必要だと認めれば、親権者を変えることもありえる。元妻の側から、モラハラがあったし、この後、対話しながら子どものことについて重要な話し合いをしていくのは難しいよと。それが子どもにとって良くないんだと思うのであれば、主張をしていくことが必要になるのかなと思う」と説明。

 また、4月1日以前に離婚していて「単独親権」から「共同親権」に変更することについては、「すでに離婚されている方が『共同親権』にしようとなると、それなりに手間とか時間がかかると思う」とコメント。

 「共同親権」になると、転居・進学先の決定・財産の管理・パスポート取得などについては父母間で合意しなければならない。これについて中野氏は、「『共同親権』じゃなくても話し合いが出来ている元夫婦はもう(すでに相談して)やっている気もする。(父母が)揉めているケースがパスポート取得まで話し合って決めないといけないのは、すごくめんどくさいなという印象」と持論を述べた。

 「共同親権」になった場合、父母どちらかの単独で判断できるものと、共同で判断しなければいけないものの線引について、佐藤弁護士は「日常の行為については一緒に住んでいる親が単独で決められると。それ以外のことは2人で決めていかなければならないってことなので、この線引がどこにあるのかは今のところまだハッキリしていない。政府がある程度例を出しているけど、色んなことが起こりますからね。生活していくうえでは。一緒に住んでいる親がこれなら大丈夫だろうと自分で決めたと。だけれどもあとからそれは『どうして言ってくれなかったんだ』となって揉めてしまうことも考えられる。対話が重要になってくると思う。争いになって裁判になると、こういうことは単独で決められるよね。ここからが一緒に決めなきゃいけないことだよね。と今後明らかになっていく部分も多いと思う」と語った。(『わたしとニュース』より)