《ロイヤルブルーのコートが小物で激変》雅子さまとキャサリン妃に共通する“華麗なる着こなし術”が国民に愛される深いワケ
着回しファッションの上級者として知られる皇后雅子さま。英国王室のキャサリン妃も、着回しファッションを活用することがよく知られている。
実は雅子さまとキャサリン妃の着こなしには「ある最上位階層に到達した人ならではの特徴」があるのだという。一体、どういうことなのか。臨床心理士の岡村美奈さんが解説する。
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愛子さまのお下がりドレスのアレンジコーデに、ご家族揃ってのリンクコーデ、さらに物を長く愛用される倹約の精神とファッション技術が融合した着回し──。その品格あるセンスが注目されている皇后雅子さま。
2026年1月、皇居東御苑にて行われた皇宮警察の年頭視閲式でお召しになっていたロイヤルブルーのチェスターコートが注目を集めた。遡ること10年前、フィリピンを公式訪問された上皇陛下と美智子さまをお見送りされる際に着用していたものだったのだ。
当時は大粒パールのイヤリングとネックレスを合わせ、髪を下ろして同色の帽子、足元は黒のパンプスという若々しい装いだった。
対して、今回は髪をアップスタイルにされ、足元を黒のブーツでまとめた落ち着いた知的なコーディネート。ロイヤルブルーと黒のバランスが絶妙だった。
着回しといえば、英国のキャサリン妃もよく話題に上る。2025年2月に着用していたオリーブブラウンのツィードのジャケットは、2007年に交際中だったウィリアム皇太子と出席した競馬の祭典で着用していたもの。
18年前は水色のシャツに同色のひざ丈マーメイドラインのスカートを合わせ、活動的な若さを印象づけた。一方、昨年は、ブラウンのタートルネックニット、同系色のタータンチェックのプリーツスカートにブーツで、シックでありながら甘く落ち着いた印象に。襟に飾られた黄色い花のブローチがアクセントカラーになり、明るさと可愛らしさを添えつつ妃殿下として品格のある装いだった。
雅子さまもキャサリン妃も、カジュアルなジャケットやパンツからフォーマルドレスまでスタイリッシュで多彩な着回しコーデをされている。そのどれもがお洒落に見えるのは、自分に似合う服がどんなものかを知りつくして着こなし、存在感を示しているからだ。
◆おふたりに共通する「セルフプロデュース力」
心理学には「マズローの欲求5段階説」という理論がある。人の欲求を分類したもので、第1段階の「生理的欲求」、第2に「安全の欲求」、第3に「所属や愛情などを求める社会的欲求」、第4に「承認欲求」、というように低いものから順に満たしていくことで、最終的に第5段階の「自己実現の欲求」に至るとされる。
この説をファッション行動に当てはめると、第1段階が「防寒などの体温調節」、第2に「ケガから身体を守る」、第3が「マナー・TPOを守る」、第4が「他人に好印象を与えたい」、そして最終の第5段階は「自分らしくいられるか、自分らしいかを追求する」といったところ。
ファッションは一足飛びに「自分らしさ」だけを表現することもできるが、それだけでは変わり映えのしない単調な印象になったり、見ている人に違和感を感じさせてしまうこともある。ルールやTPOを守り、他人に好印象を与えたいと思って選んだ装いが自分らしさを表現できているとは限らない。立ち方や動き方ひとつで、せっかくの装いが台無しになってしまうこともある。
雅子さまとキャサリン妃、おふたりのコーデはTPOや季節感、行事や訪問先の環境、文化を考えた上で、ご自身の体型、色、素材、シルエットのバランスを取られている。コーディネートをする時には、ご自分なりのルールや優先順位があり、その上で自分らしさを作り上げる”セルフプロデュース力”があるからこんなにも魅力的なのだ。
雅子さまはパンツスーツやタイトスカートにジャケットなど、すっきりしたスタイルに見えるIラインのシルエットが多く、凛とした立ち姿をいっそう際立たせている。。キャサリン妃もIラインのシルエットもあるが、ウエストをマークしたワンピースやコートドレスなどAラインのシルエットで女性らしい優雅さや優しさ、柔らかさを演出、その魅力を引き出している。
小物の使い方がうまいことにも共通点がある。おふたりともシルエットが美しいデザインの服が多いため、アクセサリーはシンプル。イヤリングやネックレスで全体の印象を引き締め、ブローチをアクセントにして個性を活かす。
雅子さまは、ワントーンカラーのスーツやコートでは、帽子を用いてフォーマル感を際立たせ、靴やバックで印象が単調にならない工夫がみえる。キャサリン妃は同じ服でもヘアスタイルを変えることで、ゴージャスな華やかさからかわいらしさや元気さ、親しみやすさまで、幅広くイメージを変えている。
例えば雅子さまは、天皇陛下の誕生日会見で着用されていたスカイブルーのパンツスーツを、WBC2026の天覧試合でもお召しになっていた。同じスカイブルーでもWBCでは襟元にピンクや紺色のスカーフが結ばれ、野球観戦らしい明るく楽しく躍動感のある印象に変えられていた。
キャサリン妃の場合は、ZARAの朱赤ジャケットの着回しで異なる印象を残している。2022年はジャケットのボタンを留めてきちんと感を演出したうえで、ダウンスタイルのヘアにフリルのピンク系のブラウス、黒のパンツとヒールで知的な印象に。2023年には、髪を無造作にまとめ、オフホワイトの丸首インナーにアンクル丈の黒パンツとローファーで、カジュアルで抜け感のあるコーデだった。
雅子さまとキャサリン妃、世代を問わず多くの女性たちのお手本になっているお二人のファッションは、美しくありながら自分らしさを遺憾なく発揮しているからこそ、その魅力が周囲の人の心を動かすのだ。
