トランプ大統領がゴリ押しする「メード・イン・アメリカ」に振り回される日本(中西文行)
【経済ニュースの核心】
ガソリン補助金「青天井」の無限地獄…1リットル177円台下落はヌカ喜び、原油高騰続けば月額1兆円にも
トランプ米大統領は高市首相の訪米を前にした3月13日、「メード・イン・アメリカ」をうたう製品広告の真実性確保に関する大統領令に署名した。
米国における「米国製」表示は、本来、米国産原材料と労働力の「すべてまたは実質的にすべて」が米国内で調達・製造された製品にのみ認められる。
高市首相は19日、訪米し日米首脳会談に臨んだ。トランプ大統領は3月31日から4月2日に予定していた中国訪問、首脳会談を延期したが、日米関係は中国と異なり主従関係であり、日本は米国の意向に逆らえないと読み「延期の必要もない」と考えただろう。
報道によれば、対米投融資の第2弾(計11兆円規模)の内容は、GEベルノバ日立の小型モジュール炉(SMR)建設計画、天然ガス発電施設の2カ所建設、アラスカ産原油の購入、そのための施設、パイプライン、港湾整備、原油精製設備の建設などが盛り込まれたとみられる。
■対米投資プロジェクトも
対米投融資プロジェクトは、その完成、運用まで何年かかるのか不明。その間に「バイ・アメリカン法」のもと資材・機材価格・人件費が高騰、再生可能エネルギー、原子力発電、EVが普及し、日本へ輸出される原油や天然ガスの価格がどうなっているかも不明だ。
さらに3年後には民主党政権に代わっているリスクもある。プロジェクトは、事前にケーススタディーで投下資金の回収、購入量・購入期間・購入価格など事業採算を決めないと実行できまい。日本政府・企業にとり投資リスクの大きい投融資である。
これらの事業の詳細は、「米国第一」の内容とみられ日本側の事情により外交密約として非公表となろう。
イスラエル・米国とイランの戦争は、ベトナム戦争のように長期化すれば、原油・天然ガス価格は高止まり、OPECやロシアなど非OPEC産油国、さらにスーパー石油メジャーのエクソンモービル、ロイヤル・ダッチ・シェル、BP、シェブロン、トタル、コノコフィリップスの国際石油資本に莫大な利益をもたらし、「漁夫の利」の笑いも止まるまい。
中国にとっても、ガソリン高騰は、世界的な電気自動車(EV)普及のアクセルになる。日本は原油備蓄がブレーキとなろう。
(中西文行/「ロータス投資研究所」代表)
