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従来とは一線を画す端正なスタイリング

BMWの次世代バッテリーEVを牽引する、ノイエクラッセの第一弾、iX3の納車が英国で始まった。既にAUTOCARでは概要へ触れているが、ソフトウエアが特徴や性能を左右する、同社初の「ソフト・ディファインド」モデルでもある。

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2028年までに、6車種以上へ採用される予定の新開発プラットフォームは、エンジンの搭載を想定しないEV専用。その中には、3シリーズの電動版、i3も含まれる。一定の販売数が見込まれるカテゴリーで、独立させる価値があると判断したのだろう。


BMW iX3 50 xドライブ Mスポーツ(英国仕様)

スタイリングは、従来とは一線を画す。端正な面構成で、都会的な雰囲気を漂わせる。縦に長いキドニーグリルは、フロントマスクと調和しているように映る。中型SUVとして、堂々とした佇まいでもある。

ボディサイズは、新しいX3より僅かに長く幅広いが、全高は低い。確かな新鮮さを感じさせるプロポーションな一方、好みが分かれる造形なことも否定はできない。

現在の市場では最長クラスの航続800km超え

駆動用バッテリーは、多くのEVと同様にフロア下へ敷かれる。円筒形のセルで構成され、同社の従来ユニット比でエネルギー密度は20%向上し、容量は108.7kWhが主張される。また、保護ケースはシャシー構造の一部もなす。

先行して英国へ導入されたグレードは、iX3 50 xドライブ。ツインモーターの四輪駆動だが、航続距離はWLTP値で800kmを超える。ホイールやタイヤのサイズ、実装するオプションで多少前後するものの、現在の市場では最長クラスに属する。


BMW iX3 50 xドライブ Mスポーツ(英国仕様)

車重は2285kgで、前後の重量配分は50:50。果たして、走りの印象は伝統的なBMWらしさを体現したもの。従来のSUVとは、まったく異なるとも表現できる。

英国価格は、素の50 xドライブで6万ポンド(約1260万円)を僅かに切る。小容量のバッテリーと、シングルモーターの組合せのiX3も登場予定。こちらは、5万ポンド(約1050万円)へ接近する見込み。

上品で現代的な内装 競争力の高い空間

運転席へ座ってみると、BMWが長年こだわってきた「ドライバーの手はステアリングホイール、目線は路上」という特長が、受け継がれているとわかる。ただし、理想的に、というわけではない。従来とは、根本的に異なる。

フロアにバッテリーが敷かれる影響で、シートの座面はやや高め。対して、ステアリングホイールの位置は低め。キャビンへ深く座り、腕をやや持ち上げた運転姿勢は取ることができない。これを、残念に思う人はいるだろう。


BMW iX3 50 xドライブ Mスポーツ(英国仕様)

内装のデザインは装飾的すぎず、上品で現代的な印象。素材の質感も、全体的に高いといえる。電動化で上昇しがちな価格を抑えるべく、目につきにくい低い部分には、硬質なプラスティックも散見される。

車内は、このクラスでは間違いなく広い側。乗員空間も荷室容量も、競争力は高い。

パノラミックビジョンに平行四辺形のモニター

ダッシュボード中央には、18.0インチある平行四辺形のタッチモニター。その奥には、高さは低いが幅が1m以上あり、メーター用モニターを兼ねる「パノラミックビジョン」モニターが据えられ、統合して動く。

必要なら、ヘッドアップ・ディスプレイも実装できる。パノラミックビジョンは、フロントガラス付け根の遠い位置にあり、表示は見やすい。しかし、流石に目移りするほどデジタル過多に思えた。必要な情報を得るのに、頻繁に操作する必要もある印象だ。


BMW iX3 50 xドライブ Mスポーツ(英国仕様)

車載機能の殆どは、タッチモニターで操作する。エアコンの温度も。各アイコンのサイズは、小さすぎるかもしれない。筆者が気に入っていた、従来のiドライブに備わったロータリーコントローラーは、もう存在しない。物理スイッチも数えるほど。

少なくとも、ドア側のアームレストには、サイドミラーとパワーウインドウのスイッチ。センターコンソールにも、ハザードのボタンやシフトセレクターなどが残るが。

気になる走りの印象とスペックは、BMW iX3 50 xドライブ(2)にて。