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「命の水」に危機迫る

昨夜(2月24日)からの雨は、恵みの雨になるのでしょうか。

【写真を見る】雨不足で各産業が「異常事態」黒いはずのノリが黄色く“色落ち” 苦渋の4割撤去 ガソリンスタンドでは「洗車ご遠慮ください…」 熊本

全国各地で「30年に一度」と言われる少雨が続く中、熊本県内でも去年10月から雨の少ない状態が続いていて、生活や産業に影響が広がっています。

そんな中で、昨夜からの雨…まとまった雨が久しぶりに地面を濡らしました。

特に天草市では期待の声が上がりました。「命の水」が危機に瀕しているからです。

天草市の住民「恵みの雨になってくれたらいいけどね。まだちょっと足りない感じですよね」

記者「天草市の水瓶・亀川ダムです。通常なら、こちらは水が溜まっている場所ということですが、現在は干上がり、地面が露出しています」

本渡地区の亀川ダムと楠浦ダムの平均貯水率は、2月23日時点で「33.5%」上水道の大半をダムや川などに頼る天草市にとって、貯水率低下は深刻な問題で、市民に節水を呼びかけています。

天草市 馬場昭治 市長「亀川ダム、楠浦ダムの貯水率が30%を下回った場合には市民に給水制限に向けての事前告知を行うことになります」

異常事態「洗車中止」

市内のガソリンスタンドでは「洗車中止」の文字が。

丸善興産 谷山栄二所長「ここ1週間くらい洗車を止めています。毎日7~8台くらい『洗車をお願いします』と来ますが、『市から要請があるので、すみませんが洗車を中止しています』と客には伝えています」

車1台を洗車するには約200リットルの水が必要ということで、こうした状況に責任者も戸惑いを隠せません。

谷山所長「私が約20年前に入社して初めての出来事です。異常事態ですね。こんなに雨が降らないというのは」

さらに、農業では今後を懸念する声も上がっています。

楠浦営農組合 飽田幸一組合長「コシヒカリを作る予定にしています。ただ、なかなかダムの水もない状況で、どのようにしたら良いのか困っている」

早期米の田植えの準備のため、3月20日ごろから田んぼに水を張る必要があります。

今週は雨予報の日が多いものの、水不足がどこまで解消されるかは未知数です。

黒いノリが黄色に?透明に?

有明海にも雨不足の影響が出ています。有明海で約20年間、ノリを養殖する梅田和孝さんです。

潤輝 梅田和孝社長「これは黒いノリ」

――理想としてはこの色ですね?

梅田社長「理想としてはこの色をずっとキープしていると、収穫して、しっかりした黒いノリを生産できる」

しかし、沖で養殖しているノリを見に行くと…ノリが黄色くなっていました。

梅田社長「黒いノリが黄色になって、これよりもっとひどくなったら、黄色すらでない。透明になる」

黒いノリと比べると一目瞭然です。

有明海で問題となっているのが、この「ノリの色落ち」。

色落ちの被害は年々広がっているということですが、今年は特に深刻で、その一因と考えられるのが「雨の少なさ」なのです。

4割の網を…苦渋の決断

梅田社長「雨が降ることで川から栄養が有明海に入るけれども、雨が降らないとその栄養が入ってこない」

ノリの摘み取りの最盛期は3月中旬までですが、梅田さんは、すでに色落ちした網を撤去しました。

残ったノリに栄養を行き渡らせるためです。

梅田社長「色落ちしたノリは、これから先の入札で価値があるものではないというか、生産してもコストに見合わないため撤去」

撤去したのは1000枚の網のうち400枚。例年、この時期に撤去する網は1割程度で、4割もの網の撤去は8人の従業員を抱える梅田さんには苦渋の決断です。

2月19日は2週間に1回開かれるノリの入札会。会場には梅田さんの姿もありました。

入札会では梅田さんが活動する地区のノリの平均単価の他、色落ちしたノリがどのくらいの値段になるのかが分かります。その値段次第では、さらに網を撤去せざるを得ません。

結果は2月19日にメールで送られてきました。

色落ちノリの単価は

梅田社長「まずはA等級(色落ちがひどいノリ)…あー…5円29銭」

この地区での黒いノリの平均単価は前回からほとんど変わりませんでしたが、色落ちノリの単価はさらに安くなっていました。

そのため、さらに100枚ほどの網の撤去を考えなければいけません。

梅田社長「一枚でも多く、みなさんに黒いノリを届けたいというところでの作業になってくると思うが、今のノリ養殖のあり方、やり方、ノリのとり方を考えながらやっていかなければならないし、色落ちノリをどう生かすのかも考えていかないといけない」