自民316議席圧勝で「もっと少ない方がよかった」が6割…選挙ドットコム副編集長が指摘する「高市人気への依存」とメディアシフトの影

衆院選では定数465議席のうちの3分の2を超える316議席を得た自民党。しかし、政党の支持率を見てみると、急激に上がったわけではない。なぜ自民党が圧勝して中道改革連合が惨敗したのか。
ニュース番組『わたしとニュース』では、選挙ドットコム副編集長の伊藤由佳莉氏が出演し、最新の意識調査データをもとに、選挙後の支持率の変化や有権者が感じる「意外感」の正体について深掘りした。
■内閣支持率は高水準を維持も自民支持率は“横ばい”
選挙ドットコムが2月14日、15日に行った最新の意識調査で、高市内閣の支持率は電話調査では63.6%と先月から3.3ポイント上がり、ネット調査では48.2%と先月から2.6ポイント下がった。
この結果について伊藤氏は「振り幅としては増減が2ポイントから3ポイントぐらいあるが、高市内閣が発足してからの水準で見ると、ほぼその幅の中に収まっているところ。電話で6割で、ネットでも約半数取っているので、高支持率を維持していることに変わりはない。また、特に『強く支持する』層が電話の方で4割弱いるのも、根強い人気の基盤になっている」と分析した。
一方、政党支持率を見ると、自民党は電話調査で28.5%(先月比2.3ポイント増)、ネット調査で19.8%(変わらず)という結果だった。歴史的大勝といわれる議席数に対し、政党支持率はそこまで高くない現状が浮き彫りとなった。
これに伊藤氏は「調査は衆院選が終わったちょうど翌週の週末に実施していて、選挙の結果を反映した現時点での数字として受け取ってもらえたらと思うが、やっぱり自民党が大勝したけど上がりきっていない。水準としてみると、現在の高市内閣が前石破内閣の時と大体同じぐらいの水準なので、今の自民党の支持が高市総理の人気に依存していると言えるのがこの結果だと思う」とした。
また、惨敗した中道改革連合は電話調査で10%(1.2ポイント減)、ネット調査で6.6%(1ポイント減)という結果になった。
「厳しい選挙結果だったこともあり、電話もネットも1ポイントぐらい下がっている。これが中道にとってのスタートラインとなる数字と思っている。与党の自民党にはだいぶ溝をあけられている状態なので、政権交代を目指すのであればどこまで詰められるのか、選挙の時の無党派層を獲得することもそうだが、支持層をどうやって広げるかも課題になってくると思う」(伊藤氏)
■自民圧勝に「もっと少ない方が良かった」が約6割
伊藤氏は、今回の選挙結果に対する有権者の受け止めについても触れた。同社の調査では「自民大勝の結果はどうでしたか」という質問に対し、「もっと少ない方が良かった」という回答が最も多く約6割、「もっと多い方が良かった」は全体の6〜7%程度だったという。
伊藤氏は「今回の結果を意外に思われている方もあるのかなと思っている」と語る。本間智恵キャスターが「“思っていたよりも自民党が勝った”と皆が思っているということですね?」と尋ねると、伊藤氏は肯定しつつ、その背景にある「メディアシフト」の影響を挙げた。
「1つはメディアシフトが大きいと思っている。小泉旋風が起きた郵政解散の時のように、テレビで皆さんが情報を得ている時代には、こういった熱気を皆さんが共有できる共通の話題や情報基盤があったわけだが、今はネットで情報を取得している方が多い。そうなると、皆さんそれぞれが見ているニュースが違ってくる」
「これがアルゴリズムによって関心があるものばかり表示される“おすすめ機能”というものもあるので、高市総理を応援している方にとっては『今回の結果は当然だ』と思われるし、別の勢力を応援している方にとっては『なぜこんなに勝ったのか』と意外に思われるところがあるので、そこも起因している」
(『わたしとニュース』より)
