「S&P500なら放っておいても増える」は本当? 新NISAで毎月「1万円・3万円×20年」を積み立てるといくら? 少額でも“投資する意味”はあるでしょうか? 結果をシミュレーション
新NISAのS&P500が「ほったらかし投資」と言われる理由
新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があり、年間投資枠の範囲内で得られた運用益が非課税になります。一度投資した資産を長期間保有し続けても、売却益や分配金に税金がかからないため、長期投資と相性が良い制度です。
S&P500が選ばれやすい背景
S&P500は、米国を代表する約500社で構成される株価指数であり、米国株式市場全体の値動きを示す指標として位置づけられています。
個別企業ではなく、市場全体に投資する仕組みのため、景気やニュースの影響で一時的に値下がりすることはありますが、長期的に見れば米国経済全体の成長に連動しやすいとされています。
月1万円を20年間積み立てた場合のシミュレーション
ここでは、S&P500連動型の投資信託に20年間、毎月積み立てを行うケースを検証していきましょう。
投資元本は240万円(月あたり1万円を20年間積立)、年率5%で複利運用できた場合、20年後の評価額はおおよそ410万円になります。元本に対して約170万円の増加ですが、「一気に大きな資産になる」という印象とはやや異なる結果です。
それでも、銀行預金よりは有利な結果になることが分かります。なお、この試算は毎年一定の利回りで運用できたと仮定したものであり、実際には年ごとに大きな変動がある点には注意が必要です。
月3万円を積み立てた場合との比較
同じ条件で月3万円を積み立てると、元本は720万円です。20年後の評価額はおよそ1230万円となり、増加額も大きくなります。このことから、利回り以上に「積立額と時間」が資産形成に与える影響が大きいといえるでしょう。
ドルコスト平均法でも避けられないリスクがある
積立投資では、ドルコスト平均法が有効な手法としてよく語られますが、万能ではありません。ドルコスト平均法とは、一定額を定期的に投資することで購入価格を平均化しようとする、積立投資の手法です。
毎月一定額を投資することで、価格が高いときには購入数量が少なくなり、安いときには多く購入できるため、購入単価を平準化しやすくなります。
ただし、これは「損をしない」仕組みではなく、高値づかみや安値を逃すといった失敗を起こしにくくする手法に過ぎません。長期間、指数が伸び悩む局面では、評価額が増えない期間が続く可能性もあります。
特に、相場が下落している局面では、「本当に続けて大丈夫なのか」と不安を感じやすく、精神的な負担が生じる点も見落とされがちです。
「何もしない=リスクがない」という誤解
ほったらかし投資で見落とされがちなのが、為替の影響や、取り崩すタイミングの問題です。米国株に投資する以上、為替変動の影響は避けられません。
また、積み立てている間は気にならなくても、出口である売却時には判断が必要になります。完全に何も考えなくてよい投資ではない点は、あらかじめ理解しておきましょう。
放っておく投資ではなく続けられる投資が大切
S&P500を活用した新NISAの積立投資は、長期でコツコツ資産を増やしたい人にとって、取り組みやすい方法といえます。ただし、「放っておけば必ず増える」というわけではありません。
月1万円でも投資する意味はありますが、成果は積立額と継続期間に大きく左右されます。ポイントは何もしないことではなく、相場に振り回されずに続けられる仕組みを作ることです。数字を理解したうえで、自分に合った距離感で長期投資と向き合っていきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

