【ザスパ社長・細貝萌の生き様】終盤6連勝も14位フィニッシュ。現場に対して偽らざる思いを吐露「しっかりと認識し、表現してほしい」
そして、今季にJ2から降格してきた3チーム、鹿児島ユナイテッドFCは5位(昇格プレーオフは準決勝で敗退)、栃木SCが7位、ザスパ群馬が14位と、いずれも1年でのJ2復帰は叶わなかった。
「正直言って、声明を出さなければいけない状況になったのは、もちろん理想的ではなかった。終盤の6試合を6連勝で終わったというのはチームにとって良いことでしたが、ただ、6連勝したにもかかわらず、結果的に14位というのは、それまでどれだけ勝点を落としてきたかという厳しい事実を物語っている。当然、クラブとして課題は多いですね」と、険しい表情を浮かべていた。
「前にも少し話しましたけど、チームのスタイルやコンセプトがあって、それを目ざしていくのは当然のことですけど、前段階として戦う部分、走り切るところ、情熱を前面に出していくことが十分にできていなかったのは確か。僕自身は20年間そこで勝負してきたので、そういうベースがいかに大事かを誰よりもよく分かっているつもりです。
そんな僕の目線から見ると、今季のザスパはスタイルを先行していたので、プレーの一つひとつが軽く見えてしまっていたところがありました。そこは反省しなければいけない部分だと痛感します」
細貝社長が語気を強めるのも、かつて日本代表やドイツ、トルコなど海外でプレーし、サッカーの原点の重要性を感じる機会が多かったから。群馬の経営トップに就任してからもブンデスリーガの解説を務めているが、今のトレンドに目を向けつつも、守備強度や局面の攻防がよりタフになっていることを彼はよく理解している。だからこそ、自チームの選手にあえて厳しい要求をするのだ。
「今の日本代表を見ても、当然、戦っていない選手なんか1人もいない。ほとんどの選手が欧州でプレーしていますけど、彼らはそれぞれの環境で様々なタスクや戦術を求められているでしょう。監督との相性もあるかもしれないけど、やはり情熱を前面に押し出して戦うとか、走り切るといった基本は確実にやっていますよね。それをザスパの選手もしっかりと認識し、ピッチで表現してほしい。僕は今、そう強く思っています」と、細貝社長は現場に対しての偽らざる思いを吐露した。
今季の苦戦は数字上にも表われている。2025年の群馬の総得点は56と上から5番目だが、総失点の59は下から3番目。「点は取れるが、守り切れない」というのが、安定的に勝点を積み上げられなかった最大の要因と言えそうだ。
「ザスパは今季に就任した沖田優監督のもとで1シーズンを戦いましたが、ご存じの通り、攻撃的なスタイルでやっていくというのを前面に押し出しました。ただ、それは『守備を多少、削ってでも攻めに行く』という意味ではありません。守備がしっかりしていないと攻撃的なサッカーもできないと僕は考えていますし、現場もそういう考えで選手たちにアプローチしていました。
